研究課題
基盤研究(C)
本研究は、①BRAF変異大腸癌におけるMcl1阻害薬の治療応用のための、特にin vivoでのproof of concept獲得、②BRAF変異大腸癌におけるmiRNA群やlncRNA群の同定と関連する標的遺伝子群を含めた新規治療標的分子の同定、を目指す。
本研究では、BRAF変異大腸癌における、Mcl1阻害薬の治療応用、さらに新規治療標的分子の同定を目的とした。申請者らは、Mcl1阻害薬あるいはsiRNAによるMcl1のknockdownがBRAF阻害薬による殺細胞性効果をさらに増強することを見出した。化合物スクリーニングにより、レチノイドがBRAF/MEK/EGFR阻害の効果増強を示すことを明らかにした(投稿中)。遺伝子スクリーニングにより、6種類の遺伝子のノックダウンによりBRAF阻害薬+MEK阻害薬+抗EGFR抗体の効果増強を示すことを明らかにした(投稿中)。これらの治験は、今後のBRAF変異大腸癌の新規治療開発につながりうる。
BRAF変異大腸癌において、BRAF阻害薬+MEK阻害薬+抗EGFR抗体の併用療法群は、標準化学療法群と比べて全生存期間における優越性が第III相試験で示され、国内でも2020年に保険承認された。しかし、それでも全生存期間中央値が9ヶ月と依然予後不良であり、BRAF阻害薬+MEK阻害薬+抗EGFR抗体の効果増強をきたす治療法は開発されていない。本研究から、BRAF阻害薬+MEK阻害薬+抗EGFR抗体の有効性をさらに高める薬剤や標的分子の候補が見いだされた。早期に臨床試験へ展開することを計画している。これらから本研究の学術的独自性と創造性は高く、がん診療においてもインパクトは高い。
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