研究課題/領域番号 |
21K07189
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
畑中 豊 北海道大学, 大学病院, 特任准教授 (30589924)
|
研究分担者 |
加藤 達哉 北海道大学, 大学病院, 教授 (20624232)
小川 美香子 北海道大学, 薬学研究院, 教授 (20344351)
畑中 佳奈子 北海道大学, 大学病院, 特任講師 (10399834)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | CD73/NT5E / 赤外光線免疫療法 / 非小細胞肺癌 |
研究開始時の研究の概要 |
がん微小環境において、アデノシン産生が亢進するとリンパ球上のA2受容体を介して免疫抑制状態を誘導し,免疫チェックポイント阻害(ICI)療法に対し抵抗性を示すことが知られている。先行研究において,我々は非小細胞肺癌の一部でCD73発現が亢進し,またPD-L1発現と相関することを明らかにした.本研究では、マウス肺癌モデルを用いたCD73を標的とした近赤外光線免疫療法およびICIとの併用療法の確立・検証を行う。
|
研究実績の概要 |
本研究は,先行研究として実施した非小細胞肺癌(NSCLC)の一部でCD73 (NT5E)発現が亢進し,またPD-L1 (CD274)発現と相関する点に着目し,(a) NSCLC組織検体を用いたCD73およびPD-L1発現と腫瘍微小環境との関連性について検討し,次いで(b) ヒトおよびマウス肺癌細胞株を用いたCD73-IR700-結合体のがん細胞への集積確認と治療効果のin vitro評価,および(c) ヒトおよびマウス肺癌細胞株の移植腫瘍モデルを用いたCD73抗体-IR700結合体(CD73-IR700-C)の腫瘍集積性の確認および近赤外線免疫療法(NIR-PIT)の抗腫瘍効果のin vivo評価を行う. 本年度は以下の2課題に取り組んだ.[1] ヒト肺扁平上皮癌細胞株を用いたCD73およびPD-L1発現におけるHIF1A制御に関するin vitro検討:CD73・PD-L1低発現細胞株(LK2細胞)に対し,HIF1A誘導剤(desferrioxamine; DFO)により処理(50uMおよび200uM)を行ったところ,処理24時間後に両遺伝子同時に発現誘導された.またCD73・PD-L1高発現細胞株(RERF-LC-Sq1細胞)のHIF1Aノックダウン細胞株(shHIFA細胞株)を作製し,CD73およびPD-L1発現への影響を確認したところ,いずれの遺伝子も発現が低下した. [2] マウス肺癌細胞株を用いたCD73-IR700-結合体のがん細胞への治療効果のin vitro評価:CD73・PD-L1高発現細胞株(CMT167細胞)に対し,CD73-IR700結合体を添加(5ug/mL)し,その後NIR照射(90J,10min)し,Live/Dead assay法による蛍光イメージング評価を行ったところ,強度の細胞死の誘導が確認された.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究目的の達成のため,2年目にあたる令和4年度は,ヒト肺扁平上皮癌細胞株を用いたCD73とPD-L1発現におけるHIF1A制御に関する検討と,CD73-IR700-結合体のがん細胞への治療効果のin vitro評価を行った.後者の一部(腫瘍集積性の確認等)は完了できなかったものの,概ね予定通りの検討結果が得られたことから今年度の研究の進捗については,自己点検による評価の区分を(2)とした.
|
今後の研究の推進方策 |
3年目にあたる令和5年度においては,以下の2点について検討する. ①本年度に続き,ヒト肺扁平上皮癌細胞株を用いたCD73とPD-L1発現のHIF1A制御の機序に関する検討を行う. ②当初の予定通り肺癌細胞株を用いたCD73-IR700-Cのがん細胞への治療効果のin vivo評価を行う.
|