研究課題/領域番号 |
21K07194
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
荒金 尚子 佐賀大学, 医学部, 特任教授 (20321846)
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研究分担者 |
佐藤 明美 佐賀大学, 医学部, 助教 (20568357)
中島 千穂 佐賀大学, 医学部, 病院助教 (40858502)
中村 朝美 佐賀大学, 医学部, 助教 (90457490)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | がんゲノム / 病的意義不明変異 / PDX / CTOS / Molecular dynamics / 次世代シークエンス |
研究開始時の研究の概要 |
がんゲノム検査で種々の遺伝子変異を検出する事が可能になったが、現在は既知の遺伝子変異について文献検索で推奨薬剤を決定するにとどまっている。これまでの検討で、ドライバー遺伝子変異のみならず、共存する遺伝子変異を複合的に解析する事により、より精確な薬効予測の可能性について明らかにした。また、病的意義不明遺伝子変異 (VUS; variants of unknown significance)についてもがん進展に関与する事も明らかにした。本研究では、ドライバー遺伝子変異、共存する遺伝子異常、並びにVUSを含めた総合的解析により、有効性の高い薬剤選択システムを構築する事を目的とする。
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研究成果の概要 |
がんゲノム検査に基づく薬効評価系樹立のため、ケースモデルとして原発不明癌症例のVariants of unknown significance (VUS) 解析を行った。遺伝子パネル検査の結果、高いアリル頻度のVUS、ERBB2 E401Gを検出した。E401G高発現細胞株での浸潤能の亢進を確認し、Molecular dynamicsシュミレーションでリガンド非依存性にEGFRと安定的ヘテロダイマーを形成する活性化型変異であることを見出した。患者組織より樹立したPDX 、CTOSを用いた薬効評価でEGFR/Her2阻害剤であるアファチニブが効果を示した。今後はより迅速な系に改良していく。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2019年保険診療としてがんゲノム診療が臨床応用され、その検査頻度は増加傾向にある。しかし、薬剤到達率10%内外にとどまり、ほとんど患者さんはこの検査の恩恵を受けていないのが現状である。特に意義不明とされる遺伝子異常については解釈の範囲外にある。 本研究では、がんゲノム診療で得られた情報を元に有効な治療薬の推奨を行う事を目的としている。種々の方法を用いて意義不明遺伝子異常の機能を明らかにし、薬剤有効性の評価を行い、効果が期待できる薬剤を選定する事ができた。この方法をより迅速に行うことができれば、がんゲノム検査を受けた患者さんに有益な結果報告を行い薬剤へのアクセス頻度を上げることができると考える。
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