研究課題/領域番号 |
21K07210
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
神山 俊哉 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (80322816)
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研究分担者 |
西村 紳一郎 北海道大学, 先端生命科学研究院, 教授 (00183898)
旭 火華 北海道大学, 大学病院, 医員 (10876246)
坂本 譲 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (20876247)
柿坂 達彦 北海道大学, 大学病院, 講師 (40583092)
折茂 達也 北海道大学, 医学研究院, 助教 (80711861)
長津 明久 北海道大学, 医学研究院, 特任助教 (90782631)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 糖鎖 / 肝細胞癌 / 切除検体 |
研究開始時の研究の概要 |
個々の切除検体の糖鎖発現解析から悪性度を予測することが必要であり、癌細胞に特異的な治療法選択に利する。肝切除で得られた切除検体を用いて網羅的定量解析を行い、癌細胞の糖鎖と病理所見、予後、再発との関連性を評価する。Tissue Bankとして、1999年1月から保管している肝細胞癌の切除検体は、癌部、非癌部の組織片を-80℃で凍結検体として保存され、この検体を用いて行う。さらに糖鎖発現に関連する糖転移酵素GnT-V、FUT8発現との病理所見、予後、再発との関連性を、パラフィン切片の免疫化学染色を行い解明する。
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研究実績の概要 |
これまでの糖鎖解析を行う癌に関する研究は、患者血清を用いるものが多かったが、患者背景:併存する疾患、人種などの影響があり、癌細胞上で行われる糖鎖修飾がどのように癌細胞の生物学的な悪性度を関連性があるかは未解決である。肝癌細胞株での実験で、これまで報告された患者血清から検出された糖鎖と異なるものが、浸潤能に関与していることが分かったため、実際の切除検体である癌細胞組織での検討が必要であるとの考えに至った。 2001年から2006年までの肝細胞癌切除例48例の凍結検体の全自動血清糖鎖プロファイル解析で網羅的解析を行い、1325.55m/zから3336.24m/zまでの39個の糖鎖を検出でき肝癌組織のN型糖鎖プロファイルを解析できた。凍結保存された肝細胞癌切除標本の糖鎖解析が普遍的に可能であることが検証された。検出された糖鎖の内、肝細胞癌の門脈侵襲に関連するものは4個、分化度には2個、大きさには3個の糖鎖が有意に関連する傾向があり、特筆すべきは、肝細胞癌の生物学的悪性度に関連する項目である腫瘍個数、AFP、肝静脈侵襲に関連する特定の糖鎖が見つかり、腫瘍個数には2個、AFP値に3個、肝静脈侵襲には2個の糖鎖の有意な関連性が認められた。また糖鎖側から見た場合、各糖鎖が、肝細胞癌の病理学的悪性度の一つに関連しているだけでなく、複数の因子に関連していることが分かり、肝細胞癌の悪性度を規定するには複数の糖鎖変異が相互に関連する必要であり、関連する糖鎖が多くなるに従い悪性度が上昇する可能性があると考えられた。検出糖鎖の内、同じ糖鎖が肝細胞癌の門脈侵襲、分化度、大きさと相互に有意に関連する傾向があった。腫瘍個数、AFP値、肝静脈侵襲に有意な関連性があった糖鎖で無再発生存率を検討したところ、このうち2個(仮称G2201、G2666)が単変量解析で有意に無再発生存率に関連性があることが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
肝癌組織のN型糖鎖プロファイルを解析できた。凍結保存された肝細胞癌切除標本の糖鎖解析が全自動血清糖鎖プロファイル解析で行った。普遍的に可能である ことが検証された。検出された糖鎖の内、肝細胞癌の門脈侵襲に関連するものは4個、分化度には2個、大きさには3個の糖鎖が有意に関連する傾向があり、特筆 すべきは、個数には2個、AFP値に3個、肝静脈侵襲には2個の糖鎖の有意な関連性が認められた。AFPに関しては別の2個の糖鎖の有意関連性も認められている。ま た糖鎖側から見た場合、各糖鎖が、肝細胞癌の病理学的悪性度の一つに関連しているだけでなく、複数の因子に関連していることが分かった。 免疫染色などの病理組織学的な所見との比較検証に時間がかかり、「やや遅れている」との進捗状況となった。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの症例で得られた腫瘍組織からの糖鎖解析データと血清での糖鎖解析データ、臨床データとの比較検討を進め、当研究の妥当性を確認する。同時に今後、さらに症例数を増やし、予定数まで到達することを目標とし、これらの結果と臨床病理学的所見・組織病理学的所見、切除後の予後・再発との関連性を検討する予定で、実際の肝細胞癌組織と癌悪性度、浸潤能などとの関連性がある特異の糖鎖を検出していく。さらにこれらの検出された特異的な糖鎖発現と糖転移酵素GnT-V、FUT8の発現との関連性を切除標本の免疫化学染色から解明する。
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