研究課題/領域番号 |
21K07212
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
関本 隆志 群馬大学, 生体調節研究所, 助教 (20436322)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 複製ストレス / 転写ストレス / 発がん / c-Myc / グアニン四重鎖 / Polymerase η / 発がん性複製ストレス / 合成致死 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は、がん遺伝子Myc活性化がDNA複製と転写の両方に依存してDNA高次構造グアニン四重鎖(G4)を増加させ、G4安定化剤(G4リガンド)がMycによる細胞死を増強する事、転写関連CDK阻害剤がMyc誘導性細胞死を増加させる事を見いだした。以上の事から本研究では以下の研究を進める。(i) G4リガンドがMycによる複製と転写に影響する仕組みを解明する。(ii) G4リガンドのMyc高発現腫瘍細胞に対する抗腫瘍効果を検証する。(iii) Myc高発現細胞におけるCDK阻害剤の影響とその抗腫瘍効果の検討。本研究の成果は、Myc高発現腫瘍における新たながん治療法の開発につながる可能性がある。
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研究成果の概要 |
がん遺伝子Myc活性化は、DNA二重鎖切断(DSB)の生成につながる複製・転写ポリメラーゼの動態異常、すなわち「複製ストレス」や「転写ストレス」を引き起こす。我々はMyc誘導性DSBについて研究し、以下のことを見出した。(1) Myc活性化細胞において、複製と転写の両方に依存してグアニン四重鎖構造(G4)が増加した。(2) Myc活性化細胞において、G4安定化剤はDSB形成と細胞死に対する感受性を高めた。(3) Pol IIの進行を制御する転写関連CDK(CDK7, CDK9)の阻害剤が、Myc活性化細胞においてDSBを誘導した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
転写因子Mycは代表的ながん遺伝子であるが、これを直接標的とする抗がん剤の候補は見つかっていない。我々が見出したG4リガンドを中心としたMyc活性化細胞におけるDSB増加による細胞死誘導機構は、これに変わる新規治療法の開発に繋がる事が期待される。 一方、転写関連CDK(CDK7, CDK9)阻害剤は臨床治験が進行中であるが、その作用機序は主に遺伝子発現の変化によるとされている。我々が見出したDSB形成を介した細胞死増加のメカニズムは新たな作用機序である可能性が高く、非常に興味深い。
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