研究課題/領域番号 |
21K07220
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田中 謙太郎 九州大学, 医学研究院, 准教授 (00536849)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | YAP / Hippo pathway / EGFR / Apoptosis / NSCLC / MOB1 / EGFR遺伝子変異陽性肺癌 / Hippo-YAP経路 / Serum deprivation / EGFR変異陽性肺癌 / Hippo / Hippo経路 / 分子標的薬 / LATS |
研究開始時の研究の概要 |
1) EGFR遺伝子変異陽性肺癌におけるLATS発現と予後/患者背景相関の検討 2) EGFR遺伝子変異陽性肺癌細胞株におけるMOB1及びLATSの発現量及び結合、及び細胞内におけるYAP局在の検討 3) MOB1強制発現がEGFR遺伝子変異陽性肺癌細胞株の増殖能、移動能及び薬剤感受性に与える影響の検討 4) 網羅的遺伝子解析法を用いた、MOB1発現によりEGFR遺伝子変異陽性肺癌に特異的に誘導される転写因子の同定と、EGFR-TKI耐性化克服の検討
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研究成果の概要 |
肺癌におけるEGFR遺伝子変異と、細胞の増殖と生存を制御するMOB1下流の転写共役因子であるYAPとの機能的関連を調べた。血清欠乏の条件下で、EGF刺激はEGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺癌細胞株でYAPの活性化を誘導したが、EGFR野生型の細胞株では誘導しなかった。EGFRを強制発現させた細胞株を用いても、EGF刺激によるYAP活性化は変異型EGFR細胞のみで認められた。 さらに、血清欠乏下のEGF刺激によって、野生型ではアポトーシスが有意に誘導されたが。変異型発現細胞はアポトーシス耐性を示した。YAPをノックダウンすると、変異型発現細胞においてもアポトーシスが観察されるようになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺癌においては、Hippo-MOB1下流の転写共役因子であるYAPがEGF刺激により活性化され、EGF誘導性アポトーシスに対する抵抗性を有することで細胞の生存に特異的に寄与することが明らかとなった。普遍的な増殖因子の一つであるEGFに対して、EGFR野生型細胞ではアポトーシスを介した増殖の制御が有効に機能する一方、EGFR変異陽性細胞においてはそのような制御が機能せず寧ろ異常な増殖を来し、発癌や癌の増大の一因となりうると考えられる。今後同経路及びクロストークすると考えられるRAS-MAPKキナーゼ経路の解析を継続し、Hippo経路を標的とした治療薬開発を進める。
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