研究課題/領域番号 |
21K07225
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
加藤 弘 北里大学, 医学部, 准教授 (20337950)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | HOPX / DNAメチル化 / CD163 / M2マクロファージ / 甲状腺癌 / 甲状腺乳頭癌 / LMR / リンパ球-単球比 / 癌特異的DNAメチル化 / 個別化治療 |
研究開始時の研究の概要 |
甲状腺癌は,補助療法の発展により進行癌の治療成績も向上しているが,比較的予後良好な分化癌(乳頭癌・濾胞癌)においても,補助療法抵抗性再発・転移への治療成績は不十分である.そのため,再発高リスク症例選択,補助療法感受性予測による個別化治療が求められている.一方,濾胞癌では術前診断ができず,手術検体でのみ確定診断可能であり,術前の濾胞癌診断による手術適応決定や高リスク予測が課題である. 我々は,甲状腺乳頭癌他におけるHOPXのメチル化の意義を解明し,臨床応用への潜在性を提唱してきた.術前細胞診での診断や再発・補助療法感受性予測を目的として,HOPXメチル化測定の臨床応用や新規治療法開発を目指す.
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研究実績の概要 |
(1) 北里大学IRB承認 (#B17-233) の下,まず甲状腺濾胞癌のHOPX DNAメチル化の意義について解析した.手術検体の病理診断にて甲状腺濾胞癌と確定診断された47例と,比較良性検体として濾胞腺腫32例,腺腫様結節31例を用いた.術前に濾胞癌の診断可能性を探るための研究であり,正常甲状腺組織は対照とはしなかった. HOPXメチル化値は甲状腺濾胞癌においてやや高い傾向にはあったが,統計学的に優位ではなかった(p=0.085).
(2) 一方,HOPXメチル化プロファイルにより,腫瘍間質の細胞に変化がみとめられたため,腫瘍微小環境に動員された免疫細胞の解析を施行した.遠隔転移のない根治切除を施行した甲状腺乳頭癌162例において術前末梢血白血球分画による炎症性マーカーであるリンパ球-単球比 (lymphocyte-monocyte-ratio, LMR) <5は独立再発リスク因子であった.そこで LMR の構成免疫担当細胞であるリンパ球, M2マクロファージ, 骨髄由来抑制細胞 (MDSC) を原発巣においてそれぞれ, CD3, CD163, CD33で免疫染色を施行した.内, CD163陽性 M2マクロファージの動員が独立再発予測因子であった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
大学院生・スタッフ減少による臨床業務負担および COVID-19流行による業務負担等による.
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今後の研究の推進方策 |
●免疫細胞プロファイルは現在遠隔転移のない根治切除施行した甲状腺乳頭癌においてのみ終了している(論文投稿準備中). CD163陽性 M2マクロファージの動員が甲状腺乳頭癌の独立再発予測因子であった.現在 他組織型においても解析を進めており,HOPXメチル化プロファイルと組み合わせた評価も施行する予定である. ●放射性ヨード内用療法抵抗性の遠隔転移を有する分化癌症例において,分子標的薬 (mTKI) 導入前後を通して経時的に末梢血白血球分画および FACSによる免疫担当細胞プロファイルを施行する予定である.これにより,mTKI導入タイミングや mTKI治療効果予測に役立つか検討する.
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