研究課題/領域番号 |
21K07232
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
三浦 孝之 東北大学, 大学病院, 助教 (30825039)
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研究分担者 |
大塚 英郎 東北大学, 大学病院, 講師 (50451563)
石田 晶玄 東北大学, 大学病院, 助教 (90619660)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | vasohibin-2(VASH2) / 癌免疫微小環境 |
研究開始時の研究の概要 |
免疫療法は,手術・放射線療法・化学療法に続く4つ目の癌治療の柱として近年注目されている.しかし膵癌における免疫チェック阻害剤(ICB)単剤の治療効果は否定されており,その大きな一因として,膵癌特有の豊富な間質成分(線維芽細胞)や癌免疫微小環境がCD8 T cellの腫瘍内への浸潤が妨げられていることが挙げられる.本研究では,VASH2阻害による癌免疫微小環境の改善が膵癌において宿主免疫応答の担い手である細胞障害性T細胞(CD8 T cell)の腫瘍内浸潤および細胞障害活性を促し,ICBの併用によりさらなる腫瘍効果をもたらすかを検討する.
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研究実績の概要 |
膵癌は早期発見が困難で早期に転移をきたし、5年生存率が10%未満の難治癌である。膵癌特有の豊富な癌関連線維芽細胞(CAF)やコラーゲンの沈着、炎症性細胞の増加などの癌免疫微小環境の変化により、化学療法抵抗性を有すると考えられており、抗腫瘍効果の高い新規治療法の開発が期待されている。一方、近年では抗PD1抗体に代表される免疫チェックポイント阻害剤(ICB)の有用性が確立され、特定の癌腫およびMSI-highなど特定の条件下で保険診療となっているが、膵癌におけるICB単剤の治療効果は否定されており、その要因として、膵癌特有の豊富な間質成分(線維芽細胞)や癌免疫微小環境によりCD8 T cellの腫瘍内への浸潤が妨げられていることが挙げられる。よって、癌微小環境をターゲットとした、ICBと他剤併用療法の開発が期待されている。今回我々は、膵癌においてVASH2を阻害することで原発巣および転移巣の癌免疫微小環境でのNFκBやMDSC、TAMが不活化され、ICBとの併用によりCD8 T cellの腫瘍内浸潤と細胞障害活性が高い抗腫瘍効果をもたらすことを検証する。現時点ではリポフェクション法による、KPCマウス由来膵癌細胞株へのVash2のshRNAの導入を実施した。さらにKPCマウス由来膵癌細胞株にルシフェラーゼ遺伝子を導入した。C57BL/6マウスの膵臓にKPC細胞を同所移植する手技も習得・安定化し、3週間経過後に発育した腫瘍のルシフェラーゼ発光をIVISイメージングシステムを用いて確認している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
KPCマウス由来膵癌細胞株へのVash2のshRNAの導入を確立し、C57BL/6マウスの膵臓にKPC細胞を同所移植を行った。Vash2ノックダウン群で優位に原発巣の発育抑制が認められた。 また、脾臓注肝転移モデルも作成し、Vash2ノックダウン群で優位に肝転移巣での発育抑制が認められた。
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今後の研究の推進方策 |
①コントロール群およびVash2ノックダウン群での比較でマイクロアレイを用いてた遺伝子解析を行う(原発巣および転移巣において)。 ②膵癌同所移植マウスモデルを用いて,VASH2ノックダウン並びにICB療法の併用による治療効果を検討.VASH2阻害による同所移植膵癌増殖抑制効果,マウス生 存期間延長効果は既に明らかにされており(Cancer sci.2019),本研究ではVASH2阻害に加えICBを併用することで,宿主の免疫応答活性によるさらなる抗腫瘍効 果を認めるか明らかにする.また
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