研究課題/領域番号 |
21K07263
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51020:認知脳科学関連
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研究機関 | 東北医科薬科大学 |
研究代表者 |
松坂 義哉 東北医科薬科大学, 医学部, 教授 (30312557)
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研究分担者 |
虫明 元 東北大学, 医学系研究科, 教授 (80219849)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 前頭前野 / 高次運動野 / ニューロン / 階層的意思決定 / TMRセンサ / ニホンザル / 行動戦術 / 意思決定 / 機械学習 / 階層的意思決定則 |
研究開始時の研究の概要 |
我々の日常生活では、様々な意思決定をしなければならないが、多くの場合、その意思決定則は上位の規則が下位の規則を拘束する階層的な構造をとっている(例. 憲法>法律>条令)。霊長類の前頭前野は柔軟な意思決定則の使い分けによる目標指向的な行動の計画・実現(実行機能)にかかわることが知られている。さらに前頭前野の前部・後部の間の神経線維連絡関係からは、両者の間に階層的な機能分担が存在することが予想される。本計画では、前頭前野前部・後部それぞれの階層的な意思決定則への関与、および高次の抽象的な意思決定側から具体的なアクションへの変換を行う神経回路レベルの仕組みを行動生理学的実験によって検証する。
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研究実績の概要 |
1) 研究目的(階層的な意思決定の神経機構の解明)に従って2頭のニホンザルを用い、視覚キューの色と位置によってaction(ジョイスティックを動かす方向)を決定させる課題を訓練した。視覚キューの色はその位置からジョイスティックを動かす方向を決定する際の規則tacticsを指示し、regular taskでは緑色・空色ならキューの方向に、赤色・青色ならキューの反対方向にジョイスティックを倒せば正解となる。一方、reversed taskではキューの色とtacticsとの対応関係が逆転し、緑色・空色ならキューの反対方向に、赤色・青色ならキューと同じ方向にジョイスティックを倒せば正解となる。又、regular task, reversed taskの区別は別の視覚信号(task cue)によって指示し、丸、四角形はそれぞれregular task, reversed taskを意味する。このように、(1)task、(2)tactics、(3)action の順に具体的なレベルで意思決定を行わせる行動課題を考案し、動物を訓練中である。 2) 本研究課題から派生する形で、東北大学工学系研究科・大兼幹彦教授(研究者番号 50396454)のグループとの共同研究を開始した。大兼グループが開発する(tunnel magnetoresistance, 以下TMR)センサは非侵襲性、高い時間的・空間的分解能、設置性を兼ね備えた生体磁気信号計測機器への応用が見込まれる。共同研究ではTMRセンサの脳信号計測機器(脳磁計)への応用可能性を検討する。具体的には、1)脳神経の活動を計測する為のセンサの最適なデザイン、2) センサの反応がニューロンのどのような電気活動(活動電位、集合電位)を反映しているか、動物実験によって評価を行う。このために、電気生理学実験に加えて磁気信号を計測する環境を整備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2023年度を以て、ニホンザルを用いた生理学研究を行っていた東北大学医学系研究科・生体システム生理学教室が閉鎖となり、代替施設(東北大学医学部付属動物実験施設)で実験を行う事になった。移動の際に多くの資材を破棄せざるを得ず、また移動先で新たに動物飼養・実験の許可を得るために多大な時間を費やした。現在は実験環境を再建途中で、動物の訓練を一時中断中である。
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今後の研究の推進方策 |
新しい施設での研究の再開に向けて、なるべく早期に実験環境を再建する。
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