研究課題/領域番号 |
21K07267
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51020:認知脳科学関連
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研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
二宮 太平 生理学研究所, システム脳科学研究領域, 助教 (40586343)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 社会脳ネットワーク / メンタライジング / マカクザル / メンタライジングシステム / 上側頭溝中間部 / 内側前頭皮質 / 内側前頭前野 / 上側頭溝領域 |
研究開始時の研究の概要 |
テクノロジーの進化に伴い、眼前に実在する他者に加え、テレビ会議での映像内の他者や接客や介護用のロボットなど「様々な他者」とのコミュニケーションが必要とされている。本研究はこれら実在・生物性の異なる他者の行動が、社会的認知機能を担う脳領野および脳領野間の活動にどのように反映されているのかを解明することを目的とする。様々な他者と対面して行動観察と行動実行を繰り返すタスクをマカクザル(ニホンザル)に課し、「社会脳ネットワーク」の中核領域である、上側頭溝領域および内側前頭皮質を対象とした神経活動の同時計測および操作をおこなうことで、他者の実在・生物性に依存した側頭―前頭皮質間の情報処理様式を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究は、マカクザルを対象として、実在・生物性の異なる他者の行動が、社会的認知機能を担う脳領野および脳領野間の活動にどのように反映されているのかを明らかにすることを目的とした。社会的行動選択課題遂行中の上側頭溝中間部(mid-STS)および内側前頭前野(MPFC)の神経活動を計測・解析した結果、各領野に他者の動作に選好をもつニューロンが存在し、またそれらのニューロンは他者の実在・生物性が低いと応答が減弱することなどを見出した。本研究の成果と先行研究から、mid-STSニューロンは他者(特に実在他者)の行動やその予測誤差の情報をMPFCに送っていることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、マカクザル上側頭溝中間部(mid-STS)と内側前頭前野(MPFC)の自己と他者の行動情報処理における機能的役割や相互作用の一部を明らかにした。特にmid-STSが、他者の意図を推測する機能(心の理論)に重要とされる、ヒト側頭頭頂接合部(TPJ)と機能的に相同であることを、詳細な神経活動解析によって示した。今後、当該脳領野を対象とした社会的認知機能の神経基盤解明や、関連する精神・神経疾患のメカニズム解明に向けた研究が進むことが期待される。
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