研究課題/領域番号 |
21K07272
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
石原 智彦 新潟大学, 脳研究所, 特任准教授 (70612232)
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研究分担者 |
他田 真理 新潟大学, 脳研究所, 准教授 (30646394)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ALS / TDP-43 / エクソーム解析 / テキストマイニング / 筋萎縮性側索硬化症 / 人工知能 / 病理多型 |
研究開始時の研究の概要 |
筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis: ALS)の病態機序に則った治療法開発が望まれている.ALSは遺伝性・孤発性を含めて多くの症例で遺伝子変異が同定されている.孤発性ALSは病理学的にはTDP-43蛋白質陽性細胞質内封入体の中枢神経内の広がりによるType 1, 2a, 2b の病理多型があり,認知症の有無,生命予後に関与するが,この病理学的特徴を規定する因子は不明である.本研究はALSの中枢神経由来DNAを用い,網羅的遺伝子解析により,ALSの病理多型への稀な遺伝子多型の集積する遺伝子の関与の有無を検討することを目的とする.
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研究成果の概要 |
本研究の主目的は神経変性疾患のALS(筋萎縮性側索硬化症: amyotrophic lateral sclerosis)剖検例由来DNAを用いた網羅的遺伝子解析(エクソーム解析)行い、TDP-43病理多型を規定する因子を見出すことである。3年間の期間中に23症例の病理検体よるDNAを抽出し新規エクソーム解析を実施した。過去解析例約137例を含めた解析にて遺伝子Xの特定エクソン内の変異を9症例にて見出している。これらの9症例は急速進行型の予後不良例(生存期間中央値15カ月)かつ、5例でTDP-Type2a病理を示した。すなわち同変異はALSの病理タイプおよび予後を規定する因子である可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ALSは根治的治療が未開発の進行性運動神経変性疾患である。本邦の症例はおよそ10,000人と推測され、多くの例では3-5年で死亡ないし持続的な人工呼吸器使用が必要となる。一方で本疾患の進行速度は症例により多様であり、急速進行例から10年以上の長期経過例までさまざまである。ALSでは30以上の原因遺伝子が同定されており、遺伝性背景の重要な疾患である。本研究で実施した進行速度に影響しうる遺伝子的背景を解析することは、その病態生理の理解、予後評価、治療法開発に貢献しうるものである。
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