研究課題/領域番号 |
21K07274
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
田中 茂 広島大学, 医系科学研究科(医), 講師 (20512651)
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研究分担者 |
細見 直永 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 研究員 (70363190)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | G蛋白共役型受容体 / 視神経軸索再生 / 網膜虚血 / 網膜神経節細胞 / 神経細胞生存 / 神経突起伸張 / 神経極性形成 / cAMP / GPR3 / 神経軸索再生 / シナプス / PI3キナーゼ / 軸索再生 / 脳梗塞 |
研究開始時の研究の概要 |
GPR3は神経細胞に発現が豊富で、神経細胞分化・成熟時に発現が上昇し、神経細胞の恒常性維持(神経細胞生存、軸索・シナプス安定化)に関与する。したがってGPR3は、神経障害後の神経機能再生に必要とされる、①障害部位からの軸索再生と②残存神経細胞へのシナプス再構築の2つの性質を元来有しており、そのGPR3自体が保有する性質の強化が神経障害後の軸索伸長・シナプス再生をもたらすのではないと考え、GPR3の分子基盤を中枢神経障害後の神経回路再生療法への応用を模索する。
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研究実績の概要 |
本研究では恒常的Gs活性化型G蛋白共役型受容体GPR3が、神経障害後の軸索再生やシナプス形成・維持に与える影響について検討することを研究目的としている。これまでに、神経細胞においてGPR3の(1)PKA、ERK、PI3キナーゼ依存的な神経突起伸張(2)GPR3依存的神経突起伸長が、Gタンパク質共役型受容体キナーゼ-2 (GRK2)やGPR3C末端セリン/スレオニン残基のリン酸化に関連し、下流のPI3K-Aktシグナルに強く影響を与えること(3)海馬神経細胞分化初期に発現増加するGPR3がPI3K依存的な神経極性形成を加速させることを解明し論文報告した。
令和4年度は主に、マウス網膜神経節細胞生存と軸索再生に GPR3 が与える影響について検討した。その結果、GPR3ノックアウトマウスでは、加齢や虚血条件下では、網膜神経節ニューロン(RGN)の脆弱化を認め、RGCにおけるGPR3発現は、加齢や網膜虚血時の生存を促進することを新たに解明した。また、初代培養網膜神経節細胞(RGC)を用いた検討により、培養RGCにおけるGPR3の発現が、神経突起伸長と細胞生存を促進することを明らかにした。さらに、GPR3が視神経軸索挫滅後(ONC)のザイモサンによる軸索再生を促進させ、アデノ随伴ウイルスを用いたRGCへのGPR3遺伝子導入がONC後の軸索再生ONC後の軸索再生を顕著に促進することを新たに認めた。
まとめると、マウスRGCにおけるGPR3発現が、加齢や虚血ストレスに対し神経保護的に作用し、さらにRGCへのGPR3遺伝子導入が視神経軸索障害後の軸索再生を促進することが明らかとなり、研究成果を論文報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
GPR3が神経突起伸張や極性形成に与える影響やメカニズムについては、令和3年度に論文報告を行っている。さらに、令和4年度にはGPR3が神経障害後の軸索再生に与える影響についても解明が進み論文報告を行い、すでに本研究に関する2報の論文報告を行っている。
さらに、GPR3発現が神経細胞においてシナプス形成や機能に与える影響について、in vitroの検討は当初の予定通り研究が進んでおり、論文報告を準備している。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は、GPR3発現が神経細胞においてシナプス形成や機能に与える影響について、PC12細胞においてGPR3発現がドパミン取込や放出などシナプス機能への関与をさらに検討する。さらに、初代培養神経細胞やin vivoにおけるGPR3発現が、シナプス機能における役割について解明をすすめる予定である。
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