研究課題/領域番号 |
21K07277
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
|
研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
高月 英恵 宮崎大学, 医学部, 助教 (80773978)
|
研究分担者 |
中垣 岳大 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (80722917)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | プリオン病 / 試験管内プリオン増幅法 |
研究開始時の研究の概要 |
プリオン病は異常型プリオンタンパク質(PrPSc)が中枢神経系に蓄積することで発症する感染性の致死性神経変性疾患です。病原因子であるPrPScは核酸を持たずタンパク質そのものですがウイルス同様に株が存在するという特徴があります。薬剤への感受性がプリオン株によって異なることから、ヒトのプリオン病創薬研究にはヒトプリオンのスクリーニング系の確立が必須ですが、現在スクリーニングに応用できるヒトプリオンのアッセイ系はありません。 本研究では試験管内でPrPScを増幅させる方法(PMCA法)を発展させ、ヒトプリオン増幅系を構築しスクリーニングに応用することを目標としています。
|
研究成果の概要 |
2つの試験管内プリオン増幅法を用いて、プリオン病治療薬のスクリーニングを試みた。結果、遺伝性ヒトプリオン病GSS馴化株であるFukuoka-1株を抑制する化合物を見出した。しかし、この化合物は薬剤耐性プリオンが出現することが示唆された。Fukuoka-1株プリオン感染マウスへの治療効果を調べたところ、投与したマウスの生存期間は非投与群と有意差はなかった。一方、感染90日後から投与したマウスの生存期間は延長した。動物試験を行う前に薬剤耐性化を見抜くことは治療薬開発の効率化の鍵となる。今後、試験管内プリオン増幅法が薬剤耐性プリオンの出現を予測するツールに成り得るか検討する。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
クロイツフェルト・ヤコブ病に代表されるプリオン病は致死性神経変性疾患であり治療法はない。これまでに治療薬として期待された化合物にはプリオン感染細胞で抑制効果が示されたものの、感染マウスにおける耐性プリオンの出現により有効性が制限された事例もある。長期に及ぶ動物試験を行う前に薬剤耐性プリオンの出現を見抜くことは治療薬開発の効率化の鍵となる。本研究で見出された治療薬候補化合物は動物試験において薬剤耐性プリオンが出現したことが示唆され、試験管内プリオン増幅法においても耐性プリオンが出現することが確認された。今後、試験管内プリオン増幅法が薬剤耐性プリオンの出現を予測するツールに成り得るか検討する。
|