研究課題/領域番号 |
21K07286
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | びわこリハビリテーション専門職大学 |
研究代表者 |
井出 千束 びわこリハビリテーション専門職大学, リハビリテーション学部, 教授 (70010080)
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研究分担者 |
中野 法彦 びわこリハビリテーション専門職大学, リハビリテーション学部, 教授 (40322721)
兼清 健志 びわこリハビリテーション専門職大学, リハビリテーション学部, 准教授 (20525399)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 脊髄 / 上衣細胞 / 脊髄損傷 / 再生 / 細胞移植 / 臨床応用 / 終糸 / 神経前駆細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
脊髄損傷に伴って脊髄の中心管の内面を覆っている上衣細胞が増殖することが注目されてきた。上衣細胞が脊髄損傷治療のための移植細胞として応用できるのではないかという期待からである。しかし、正常脊髄を犠牲にして中心管上衣細胞を移植に用いるわけにはいかない。我々が注目したのは終糸に伸びる中心管である。除去しても機能的に問題ない終糸中心管の上衣細胞を移植に用いるという発想から我々の研究が始まった。このような構想はこれまでの論文では全く見られない。この細胞は脊髄のみではなく、脳を始めとする中枢神経系全般の幹細胞として移植効果があるのではないかと考えられる。
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研究実績の概要 |
1 脳の中心部に位置する「中心管上衣細胞」は、外傷を受けることによって活発な自己増殖を開始する。この現象は、中枢神経系が活発な内因性の再生機構を持つ証拠として注目されるところである。これまで一般に、中枢神経系は再生しないとされているが、実際には、再生機能を発揮する細胞が存在していることは注 目すべき事實である。本研究では、この上衣細胞この再生機能を解明すること、及びその機能を利用した中枢神経の再生機構の促進機序の解明である。 (1)上位細胞の再生機構 上衣細胞の基礎的な機能所見について、論文を投稿中である。8-9胸椎の背側に金属棒を落下させることによって軽い損傷を与え、その後の修復過程を観察し た。上衣細胞は大きく増殖して、周囲の損傷神経組織内に遊走し、オリゴデンドロサイトに分化するものが多く見られた。アストロサイトへの分化は損傷2週間 以内ではほとんど見られなかった。この形態学的な追跡によって、上皮細胞の増殖と分化という基本的な現象が証明された。 (2)上衣細胞の移植実験 再生は上衣細胞の増殖と分化による結果であることかが明らかとなった。つまり上衣細胞の移植という手段によって、脊髄損傷の治療への可能性が考えられる。上 皮細胞が特に特異的に存在する組織は「終糸」であることから、我々は、損傷部に終糸を移植して、細胞移植による脊髄損傷改善への変化を調べている。移植上 衣細胞には遺伝子表示のラットを用いて移植細胞の運命を辿っている。移植細胞が、増殖して多くのグリア細胞および神経細胞を生成するか否かを中心に調べる。終局的には、臨床的な上位細胞の移植が可能となるための条件など、広い研究が必要である。 研究延長期間において上衣細胞の生存を確かめることができ、応用の可能性を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
論文を投稿することによって、この実験系が有効であることを明らかにすることができた。上衣細胞が脊髄再生のポイントであることを示すもので、今後の研 究の方向性が明らかとなった。細胞移植については、移植細胞の同定が 可能になった段階である。今後はその細胞がそのように分化していくかなど、多くの課題がある。
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今後の研究の推進方策 |
基本的には、現在始まっている上衣細胞の移植が中心である。移植後、経時的に移植細胞の変化を追う。これによって、移植細胞がどのように変化して、再生 に貢献するかを明らかにすることができる。研究手法としては、電子顕微鏡によって移植細胞の変化と動きを追い、免疫組織化学によって細胞分化を追跡する。 研究が進めば、「上衣細胞の分化に対する脳実質の影響」に関連する大きな研究テーマである。
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