研究課題/領域番号 |
21K07295
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
|
研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
泉 仁 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 准教授 (60420569)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 腱板断裂 / 痛み / 疼痛 / 疼痛感作 / 肩 |
研究開始時の研究の概要 |
腱板断裂は中年以降に好発し、肩の痛みをきたす代表的疾患であるが、痛みの有無、程度に関わるメカニズムには未だ不明な点が多い。変形性関節症や慢性腰痛症などの運動器慢性痛疾患では、局所の病態に痛みの伝達や調節を行う神経系自体の機能変化が加わることが知られており、「疼痛感作」というキーワードとともに近年注目されている。本研究では、腱板断裂肩における疼痛感作の実態と、その背後にある神経メカニズムについて、動物実験(ラット腱板断裂モデル)および臨床試験(定量的感覚検査)の両者を組み合わせて検証する。
|
研究成果の概要 |
腱板断裂患者の痛みに関わる神経系の機能変化(疼痛感作)について、そのメカニズムを知るために動物実験および臨床試験を行った。動物モデルでは腱板断裂サイズが大きいと強い痛みを生じることが示されたが、小さな断裂でも腱板の変性によって疼痛が増加し、局所の神経成長因子(NGF)によって引き起こされた神経ペプチド(CGRP )の発現亢進がその一機序と考えられた。臨床試験では、腱板断裂患者の局所および遠隔部位における痛覚過敏が安静時痛の強さと関係していたが、動作時痛や夜間痛とは関係せず、その関与は限定的であった。精神心理的要因などを含めて、さらに多面的に評価することが必要であると考えた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腱板断裂は肩の痛みを来たす代表的疾患であるが、診察や画像検査による肩の局所所見だけでは説明できない難治性の痛みを有する患者が存在する。本研究によって、腱板断裂患者の痛みに神経系の機能変化による修飾がある可能性が示された。多面的、包括的な評価を行うことで、「必要な患者に神経系をターゲットにした治療を積極的に追加する」といった、痛みのメカニズムに応じたテーラーメイドな治療を実践できるようになると考えている。
|