研究課題/領域番号 |
21K07308
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
研究代表者 |
石川 享宏 公益財団法人東京都医学総合研究所, 脳・神経科学研究分野, 主席研究員 (90595589)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 小脳 / 予測 / 運動制御 / 感覚予測 |
研究開始時の研究の概要 |
小脳と大脳運動野は双方向の神経結合を介して協調的に働き、随意運動の円滑な遂行に寄与する。小脳から大脳運動野への出力は運動(筋活動)の調節信号と見なされることが多いが、一方で運動の結果として生じる感覚を予測し出力するとの仮説も提唱されている。小脳出力が具体的にどのような情報を持ち、運動制御においてどのような機能的役割を果たすのかを明らかにするため、本研究ではニホンザルを用いた神経生理学的研究を行う。小脳の出力部位である小脳核の神経活動の性質を調べることで、小脳出力が運動情報と感覚情報のどちらを担うのか、あるいは役割の異なる二つのシステムが併存しているのかを実験的に検証する。
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研究実績の概要 |
本課題の目的は、随意運動時の小脳核の神経活動が運動制御情報(筋肉を動かすための信号)と感覚予測情報(運動に伴って生じる感覚信号の予測)のどちらを表現しているのか、あるいは役割の異なる二つのシステムが併存しているのかを単一細胞レベルで明らかにすることである。運動制御における小脳の機能的役割を明確化することにより、疾患や傷害による小脳の機能不全が引き起こす運動失調のメカニズムを解明し、確度の高い小脳機能の評価基準策定や効果的なリハビリテーション開発への貢献を目指している。 自発的な運動に伴う身体の動き(能動的動作)による神経活動と、外部から力を加えられることで生じる受動的な身体の動き(受動的動作)における神経活動を比較するため、手首の単関節運動を利用した運動課題を用いてキネマティクスデータおよび筋活動データをニホンザルから収集し分析を継続している。ハプティックデバイスSPIDAR-mouseを応用したシステムにより、ニホンザルが能動的に運動する際のキネマティクスをモーターによる機器の駆動で再現可能としているが、前年度より開始した未訓練のニホンザルの課題習得が当初の想定よりも難航しているため、同一のキネマティクスでの能動的動作・受動的動作における小脳核の単一神経細胞レベルの活動計測と比較には至っていない。しかし、ほぼすべての小脳核神経細胞が体性感覚刺激に対して明敏な反応を示し、安静状態においては小脳核が受動的な動作を表現することを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
ハプティックデバイスSPIDAR-mouseの応用により、サルが能動的に運動する際のキネマティクスを人工的に再現し、能動的動作と見かけ上同じ軌道と速度で受動的動作を作り出すシステムを開発した。この装置を用いて能動的動作と受動的動作における神経活動を単一細胞レベルで直接比較することが本研究の目的であるが、当初の想定には無かった未訓練のニホンザルに手首運動課題を一から習得させる必要性が生じたため、全体として実験の進捗は遅れている。上記装置を利用した受動的動作に伴う神経活動計測は未だ準備段階ではあるが、訓練と並行して体性感覚刺激に対する個々の小脳核神経細胞の反応を調べたところ、ほぼ全ての神経細胞が単純な接触刺激や受動的な関節の動きに対して反応することが確認された。この結果は、安静時においては小脳核神経活動が受動的な動作を表現することを示している。
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今後の研究の推進方策 |
サルの運動課題訓練に注力するとともに小脳核での神経活動計測の準備を進め、訓練が完了次第速やかに神経活動データの収集を開始し、能動的動作と受動的動作における単一細胞レベルの神経活動パターンの直接比較に取り組む。得られたデータの分析により、運動制御における小脳出力が運動を直接的に調節するための信号であるのか、運動の結果として生じる感覚情報を予測するためのものであるのかを明らかにする。
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