研究課題
基盤研究(C)
原発性大結節性副腎過形成症(PMAH)は、(サブクリニカル)クッシング症候群を来す稀な副腎疾患である。PMAH患者の30%-40%にARMC5遺伝子の生殖細胞系病的variantが認められることが示され本症の少なくとも一部が遺伝性疾患(ARMC5遺伝子異常症)であることが明らかにされた。本研究は新たな遺伝性腫瘍・内分泌代謝症候群とも言うべきである「ARMC5遺伝子異常症」に関する未解決問題の解明とともにARMC5の副腎以外の内分泌腫瘍等の腫瘍化への関与の解明をも試みる研究である。
原発性マクロ結節性副腎過形成(PMAH)は、クッシング症候群(CS)あるいはサブクリニカルCSを来しうる病態の一つである。PMAHの原因遺伝子としてARMC5が同定された。本研究は、日本人PMAH家系32家系の患者34名を対象に遺伝子および臨床病型の解析を行った。32家系中14家系にARMC5の病原性または疑いのある変異が同定された。そのうち5家系は同一変異であった。2人の患者の子供も無症候性または前症候性の状態で変異を有していた。ARMC5変異陽性群は陰性群よりも基礎コルチゾール(F)値が高く、年齢依存性のF過剰分泌が見られた。日本人PMAH患者の43%にARMC5の病原性変異が確認された。
高血圧、糖尿病、脂質代謝異常症等の生活習慣病に対する対策は健康長寿社会の実現のためにも重要な課題である。内分泌疾患であるクッシング病やその軽症型であるサブクリニカルクッシング症候群は時として上記の疾患の背後に潜んでいることがある。原発性マクロ結節性副腎過形成(PMAH)はそのような病態を呈する稀な病態と考えられていたがその多くが遺伝性疾患であり必ずしも診断されていない可能性があることは重要な所見である。
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すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 13件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (15件) (うち招待講演 2件)
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