研究課題/領域番号 |
21K07349
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 学校法人文京学院 文京学院大学 |
研究代表者 |
藤本 和実 学校法人文京学院 文京学院大学, 保健医療技術学部, 助教 (50769297)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 赤血球 / 酸化ストレス / 新規生理活性因子 / 質量分析 / バイオマーカー / 新規ペプチド |
研究開始時の研究の概要 |
赤血球は全身に酸素を運ぶ重要な役割を果たしているが、バイオマーカーとしての役割につ いては不明点が多い。生活習慣病をはじめとする多くの疾患に酸化ストレスの関与が示唆されているが酸化ストレスの強度を反映する正確な定量法は構築されていない。本研究では高効率ペプチド抽出法を用いて赤血球中の新規酸化ストレスマーカー候補ペプチドを質量分析計で同定することを第一の目的とする。赤血球中に含まれるまだ未発見の新規因子の酸化ストレスマーカーとしての有用性について基礎的検討を行い、酸化ストレスマーカー開発の新たなアプローチ法を示し、臨床検査の更なる発展へ貢献したい。
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研究実績の概要 |
質量分析技術は試料解析に万能なイメージがもたれがちであるが、目的物質を検出するための試料調製に難渋する場合もある。 血液中には未発見の新規生理活性因子が存在することは明白だと考えられているが、世界的にも新規生理活性因子発見の研究は停滞している。 血液は質量分析計で解析する試料の中では扱いが難しい試料の一つとして知られている。これは血液中の大部分を占めるタンパク質は既知であり、その存在量が血液成分のほとんどを占めるため、目的物質がペプチドや微量成分の場合はその精製過程で失われることが多く、質量分析解析に適した試料調製には高度かつ繊細な技術が必要とされる。 血液を扱う際はほとんどの場合、遠心分離を行い、血清あるいは血漿と赤血球成分に分け、血清・血漿を精製したものを質量分析計にて解析していく。赤血球成分は廃棄されることがほとんどであるが、研究代表者は臨床検査領域の発展に貢献すべく、赤血球の新規生理活性因子の存在を探索することを目的としている。赤血球中に含まれるタンパクやぺプチドの中に酸化ストレスマーカーとなる可能性を見出すことも目的の一つである。新規生理活性因子の探索に赤血球を対象とした報告、赤血球を質量分析解析した報告もほとんどない。 本研究では赤血球中に存在する新規タンパク質ならびにペプチドのメチオニン酸化、システイン酸化レベルの検出を目的としており、まずは健常者赤血球中を用いて高効率ペプチド抽出法(DS法)を用いて赤血球からnative ペプチドを抽出し、質量分析装置にて解析し、市販健常者血液を用いて、健常者血液中のタンパクを検出する。酸化ストレスマーカーとしての意義を探るために酸化を受けたアミノ酸(メチオニン・システイン)を含むタンパク、ペプチドを同定する。 これまでに蓄積してきた血漿、血清中から検出されたタンパク質との違い、ヘモグロビンの状態についても検討を重ねている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
市販血液の調達はコロナ禍が緩和されつつあることで改善されてきたが、試料調製の各種条件検討に予想以上に時間を費やすこととなり、当初の計画よりも遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
最適な試料条件の検討に苦戦しているが、赤血球中のタンパク質やペプチドは検出できており、これまで試料対象としてきた血清や血漿中では検出されなかったタンパクも検出し始めている。 昨年度から引き続いて条件検討を重ねつつ、試料数も増やしていくことでデータベース構築に役立てていく予定である。
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