研究課題/領域番号 |
21K07364
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山本 浩靖 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (00631201)
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研究分担者 |
木原 進士 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20332736)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 自己免疫性脂質異常症 / 自己抗体 / 心血管疾患 / アポリポ蛋白 / リポ蛋白リパーゼ / GPIHBP1 / 動脈硬化 / 脂質代謝 / 脂質異常症 / 自己免疫性疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
自己免疫性脂質異常症の報告数と実際の臨床現場での実情とは乖離している。これは、診断法が未確立であるために多数の症例が見逃されていることを意味し、そのような症例では一般的な高脂血症治療薬が漫然と選択され、治療抵抗性・難治性と判断されることにつながる。さらに近年の有効な抗がん治療として用いられる免疫チェックポイント阻害剤では様々な自己免疫性疾患が惹起されることが報告され、自己免疫性脂質異常症も可能性がある。本研究は、自己免疫性脂質異常症の診断法を確立し、本疾患の臨床の実態を正確に把握するとともに、適切な治療の確立につなげる研究である。
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研究成果の概要 |
診断に難渋している高中性脂肪血症症例として全国の医療機関から当研究室に紹介された症例について、抗GPIHBP1、抗LPL自己抗体の存在を検討し、自己免疫性脂質異常症の可能性について診断を行った。 抗apoB-100自己抗体価は大血管合併症を有する糖尿病患者では低値であること、安定狭心症男性症例では責任冠動脈病変のプラークの安定性と有意な正相関をとることを報告した。さらに、安定狭心症男性症例での抗LPL自己抗体価がプラークの安定性と有意な負の相関をとり、抗apoB-100、抗LPL自己抗体価を組み合わせることで、より脆弱なプラークを有するハイリスク症例を抽出できる可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脂質異常症はありふれた疾患と考えられているがその機序は様々であり、自己免疫的機序に伴うものは診断法が確立されていないために診断に難渋し、治療法の決定も難しくなる。今回、全国から依頼された症例を解析し、診断に貢献した。 さらに、脂質代謝関連分子に対する自己抗体の測定系を開発し、いくつかの自己抗体が狭心症の原因病変におけるプラークの安定性・不安定性と関連することを見出した。このマーカーを複合的に用いることで、よりリスクの高い症例を抽出することができ、個々の患者の治療方針の検討に役立つことが示唆された。
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