研究課題/領域番号 |
21K07365
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
山本 昌弘 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 准教授 (50346392)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 椎体骨折 / 微細構造 / 大腿骨近位部 / 2型糖尿病 / 骨粗鬆症 / 脊柱起立筋 / 骨微細構造 / 2-メトキシエストラジオール |
研究開始時の研究の概要 |
糖代謝障害環境下の代謝異常と関連する虚血応答因子とその調節因子: hypoxia-inducible factor (HIF)-1αと2-メトキシエストラジオール(2-ME)に着目し、脊柱起立筋群の「サルコペニア脂肪筋」がもたらす「椎体骨微細構造の粗造化」と骨折リスク増加との関連を明らかにし、2型糖尿病患者の骨粗鬆症の診断に広く臨床利用可能な骨密度非依存性骨折リスクの新たな評価法を提供する。
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研究実績の概要 |
申請者は2型糖尿病患者が「骨密度が高くても骨折しやすい」ことを統計学的に立証し、「骨の質の低下」が骨脆弱性の病因であることを見いだした。本研究では、サルコペニア肥満に着想を得て、転倒要因となる立位姿勢の前傾化と関係する脊柱起立筋群が脂肪化して筋量が喪失する「サルコペニア脂肪筋」化し、椎体を支持する筋力低下により「椎体骨微細構造の粗造化が促進」され、骨折リスクが増加すると想起した。糖代謝障害環境下の代謝異常と関連する虚血応答とその調節因子に着目し、脂肪化筋喪失や微細構造劣化のような骨密度に現れない2型糖尿病の骨脆弱性の病態形成に対する低酸素ストレスの関与を明らかにすることを目的に研究を計画した。 昨年度の研究では、骨の構造劣化について、臨床研究に遂行に必要な男女各300名超の臨床情報、腹部CT画像および血液・尿検体を有する構築済みデータベースから、大腿骨近位部の骨密度画像を用いて大腿骨近位部の骨構造を解析し、椎体骨折者では大腿骨近位部の有意な構造的劣化が存在していること確認した。 上述した骨構造解析ソフトウエアのアルゴリズム改正が予定されており、初年度に得た骨構造指標の再解析が必要となり、既存データの最適化を行った。また低酸素ストレス応答と骨構造との関連を計画していたが、本研究の検体測定連携協力者である当大学附属病院検査部の研究員がコロナウイルス感染症関連の検体測定業務に専従となり、構造劣化寄与因子の探索・同定に関する研究計画の遅延が生じている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1)日常診療内で撮影された骨密度画像を二次利用し、新たに大腿骨近位部の構造指標の計測データを初年度に得た。しかし2023年に解析プログラム改正が予定されているため、構造指標の再解析が必要となり、初年度に得た研究データの再評価を予定している。再解析データの最適化を行い、次年度の解析準備を行った。 2)本研究の検体測定連携協力者である当大学附属病院検査部の研究員がコロナウイルス感染症関連の検体測定業務に専従となり、低酸素ストレス応答に起因する構造劣化寄与因子の探索・同定に関する研究計画の遅延が生じている。
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今後の研究の推進方策 |
1)骨構造解析の改訂版で既得データの再解析を行い最終的なデータを得る。対照群として非糖尿病者において同様な検討を行い、非糖尿病者との比較研究の方向へ研究方針の転換への準備を進める。 2)新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行に伴い、検体測定連携協力者の研究従事復帰見込みであり、保管検体測定を開始する。
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