研究課題/領域番号 |
21K07366
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
横田 憲治 岡山大学, 保健学域, 教授 (00243460)
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研究分担者 |
岡田 裕之 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 特命教授 (60263563)
渡辺 朱理 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 講師 (80585026)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Hedlicobacter pylori / IL-10 / Actinomyces / 胃癌 / Helicobacter pylori / 硝酸塩還元菌 / 委縮性胃炎 / IL10 / 動物実験 / T helper2 |
研究開始時の研究の概要 |
ピロリ菌感染が長期にわたり、胃粘膜の萎縮や加齢による免疫反応の変化(低下)が起きてこないと胃癌は発症しない。胃粘膜の萎縮は、胃酸分泌の低下を招き、ピロリ菌以外の常在菌が増加してくる。この常在菌の中には硝酸塩を還元し発癌物質の生成に関与する亜硝酸塩を産生する硝酸塩還元菌が含まれる。そのため 1)ピロリ菌培養の時に同時に培養される常在菌を分離培養し、硝酸塩還元能を調べる。 2)硝酸塩還元菌のDNAを抽出し16SrDNAの配列から菌種を同定する。 3)硝酸塩還元菌の炎症反応との関係を、単球系培養細胞を使い検討する。 4)細胞性免疫を抑制した、マウスモデルに投与し、発癌するか調べる。
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研究実績の概要 |
行なった実験は、 1.使用マウスモデル(BALB/c)、Group1(4匹):菌投与なし、Group2(3匹):ピロリ菌SS1株投与、Group3(3匹):ピロリ菌SS1株+Actinomyces oris投与、全てのマウスにIL-10(20 U/mouse)を継続的に投与した。 結果は、1.抗体価測定では、Group1に比べ、菌を投与したGroup2とGroup3では総IgGが上昇した。IgGサブクラス測定では、Group2とGroup3を比較すると、Group3の方がIgG2/IgG1比が低く、より液性免疫優位となった。2.サイトカイン測定では、IL-1βとIL-6は炎症性サイトカインである。IL-1βは、ピロリ菌の感染があるGroup2とGroup3において、ピロリ菌を含む抗原刺激をしたもので高値を示す傾向があった。IL-6ではGroup2とGroup3において、抗原の種類によらず刺激を行ったもので高値を示す傾向があった。3.サイトカインmRNAの発現では、Th1の細胞性免疫を反映するIL-12とIFN-γは、Group1に比べGroup2とGroup3で発現が低下し、特にGroup3ではそれが顕著であった。Th2の液性免疫を反映するIL-13は、Group1に比べ、Group2では発現が低下し、Group3では発現が増加した。同じく液性免疫を反映するIL-4とIL-5は、Group1では発現がわずかに見られたが、Group2とGroup3では見られなかった。4.胃組織像の評価は、HE染色標本において、Group1では明確な炎症像は見られなかったが、Group2とGroup3では多くのリンパ球が観察できた。また、Group2よりもGroup3の方がより大きなリンパ球の集簇が見られた。さらにGroup2とGroup3では粘膜腺管構造の乱れも観察できた。Ki67免疫組織化学染色標本においては、Group3では胃粘膜のいくつかの細胞が染まっているのが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ピロリ菌感染による萎縮胃炎を起こした患者と胃癌患者を対象に、ピロリ菌以外の菌(特に硝酸塩還元菌)の胃内生息状況を明らかにし、胃癌患者の胃粘膜萎縮の程度と硝酸塩還元菌の関連、また、胃粘膜萎縮を起こした患者と胃癌患者の胃内生息状況に違いがあるかを検討した。萎縮胃炎ではclosed typeよりopen typeの方が菌数は多くなり、胃癌になると菌数は急激に増加した。さらに、胃粘膜萎縮が進行するほど、さらに胃癌になるほど、検出される菌種に硝酸塩還元菌の割合が高くなった。菌種同定の結果、Closed typeでは検出された硝酸塩還元菌はすべて口腔内細菌で、open typeでは、69%が口腔内細菌で31%は腸内細菌であった。また、胃癌では47%が口腔細菌で53%が腸内細菌であることが判明した。
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今後の研究の推進方策 |
マウス感染実験において、胃癌患者からの多数の硝酸塩還元菌を分離した。これらの菌を使って、マウスの感染実験をさらに進める予定である。
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