研究課題/領域番号 |
21K07374
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
|
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
五家 里栄 自治医科大学, 医学部, 助教 (00894891)
|
研究分担者 |
小谷 和彦 自治医科大学, 医学部, 教授 (60335510)
三浦 光一 自治医科大学, 医学部, 准教授 (90375238)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 酸化HDL / NAFLD / 心血管イベント / NASH |
研究開始時の研究の概要 |
非アルコール性脂肪性肝疾患/脂肪性肝炎(NAFLD/NASH)患者の最大の死因は肝臓関連誌ではなく心血管系疾患である。しかし、心血管系疾患の重要なリスクである高コレステロール血症は進行したNASHではむしろ改善し、心血管系疾患のリスク評価を見誤る可能性がある。我々はこれまでの研究でNASHが進行すると酸化HDLが増加し、心疾患患者で高値を示すことを見出した。本研究では臨床研究にて酸化HDLがNAFLD/NASH患者での心血管系疾患予測の新しいマーカーとなるか多数例での検討、基礎実験にて酸化HDLが血管及び肝臓に与える障害を検討し酸化HDLの利用方法やその分子生物学的作用を明らかにしたい。
|
研究実績の概要 |
心血管イベントのリスク評価方法の一つにFramingham Risk Score (FRS)がある。この予測式は心血管イベントのリスク因子である総コレステロール、またはLDLコレステロール値が含まれている。非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)患者の死因は心血管イベントが多く、進行したNAFLD(肝硬変)ではさらにそのイベント数が多くなると報告されている。しかし肝硬変ではコレステロール産生能が低下するため、FRSが必ずしも高値とならない可能性がある。我々は、酸化HDLが肝線維化進行とともに上昇することを報告した。よって酸化HDLはコレステロール値に変わり、NAFLDの心血管イベントリスク評価のための新しいマーカーになりうる可能性がある。本研究では酸化HDLがFRSに替わりうるような指標となるのか、NAFLDにおける心血管イベントとの関連を明らかにする。 170例(NAFLD138例、non-NAFLD32例)を対象とし、酸化HDLと心血管系合併症の有無について検討した。心血管イベントの既往は13人 (8%)に認められ、心疾患8例、脳血管疾患5例で、すべてNAFLD群であった。また高血圧・糖尿病・脂質異常症の合併・喫煙・BMI 25以上はそれぞれ80人(47%)、58人(34%)、 98人 (58%)、 22人(13%)、 107人(63%)で、喫煙を除いてはNAFLD群に多かった。血中酸化HDLの中央値は199 U/mlで、NAFLD無有 (87 vs 231)、心血管系イベント既往無有 (193 vs 250)、肝関連イベント (185 vs 370)で高値であった。NAFLD症例に限定しても、 心血管イベントの既往や肝関連イベント既往で酸化HDLは高値であった。酸化HDLは心血管イベントの既往を有する例で高値であり、心血管イベントの予測に使用できる可能性がある。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最初の報告では、non-NAFLD患者 32人、NAFLD患者106人で酸化HDLを測定したが、これまでの検討ではnが少なく、今回、NAFLD患者を138人まで増やし、酸化HDLや心血管イベント・糖尿病・脂質異常症・喫煙などを調査した。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続きNAFLD症例を収集し、データの蓄積を行う。また、サルコペニア合併のNAFLDも検討項目に入れ、検討を続けていく。
|