研究課題/領域番号 |
21K07382
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 第一薬科大学 |
研究代表者 |
長島 史裕 第一薬科大学, 薬学部, 教授 (60228012)
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研究分担者 |
香川 正太 第一薬科大学, 薬学部, 准教授 (30463201)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 牛車腎気丸 / 肥満 / MuRF1 / サイトカイン / リン酸化 / 六味丸 / インスリン抵抗性 / 糖新生 / Akt / 漢方補腎剤 / 肥満症 / エネルギー代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、サルコペニア予防に効果のある牛車腎気丸および漢方補腎剤で附子を含まない六味丸に着目し、熱産生およびエネルギー代謝亢進による抗肥満作用を検討する。エネルギー代謝や抗肥満作用に対して検討がないこれらの漢方薬を対象に検討を進め、六味丸の検討では、作用機序としての交感神経興奮作用を介して薬効を発揮する附子の存在意義を明確にできる点で独創性がある。主に、寒冷刺激による体温維持作用、食事性肥満モデルを用いた肥満治療への有効性および脂肪細胞を用いた交感神経依存の有無と作用機序について検討する。さらに、牛車腎気丸および六味丸の構成生薬に含まれる成分についても検討し、薬効に関与する成分の同定を行う。
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研究実績の概要 |
最終年度は牛車腎気丸(GJG)の抗肥満作用について検討を行った。六味丸と同様、マウスを3群に分け、普通食群、高脂肪食群および高脂肪食+GJG混餌群としてそれぞれの処置を行った。結果として、高脂肪食で有意に増加したマウスの体重増加をGJGは抑制することができなかった。そのため、GJGには抗肥満作用がないことが証明された。そこで、マウスを解剖し、代謝性疾患に関わる肝および骨格筋を採取後、様々な検討を行った。その結果、GJG処置によって、この2つの組織に含まれる中性脂肪含量の有意な低下を認め、その中でも、高脂肪食によって惹起される骨格筋の異常に対し、GJGは回復の方向に作用することがわかってきた。特に、肥満に伴って惹起される筋萎縮に関わる因子であるMuRF1遺伝子発現の低下、TNFαをはじめとする各種炎症性サイトカインの低下を見出すことができた。筋萎縮を惹起する因子によって誘導される細胞内シグナル伝達、p38MAPKリン酸化およびリン酸化p65-NFkBの減少もウエスタンブロット法で確認できた。これらの結果から、GJGは肥満によって誘導された骨格筋の萎縮を抑制する可能性が示唆された。
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