研究課題/領域番号 |
21K07387
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
中村 貴光 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (60377512)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 大動脈弁狭窄症 / 脊椎変形 / 骨粗鬆症 / 経カテーテル的大動脈弁留置術 / 術後合併症 / BNP / ペースメーカー / 経皮的大動脈弁留置術 / 合併症 / 骨代謝 / 脊椎後湾 / 脊椎後弯 / 高齢者 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者における大動脈弁狭窄症は近年増加し続けている。大動脈弁硬化をきたす患者の臨床因子の一つとして低身長が報告されているが、その多くが脊椎後弯(円背)を伴う傾向であることが先行調査で確認された。また、大動脈弁の硬化石灰化は、大動脈弁周囲の血流変化(乱流)によって生じる大動脈弁内皮損傷が引き金となり進行することも明らかにされている。本研究では、脊椎後弯における大動脈弁周囲の血流変化とそれに伴う内皮障害との関連を基礎的・臨床的に明らかにすることで、老化における脊椎後弯をターゲットとした大動脈弁狭窄症進行抑制のための新たな治療方法の開発のための基盤構築を目指したい。
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研究成果の概要 |
大動脈蛇行は経皮的大動脈弁留置術などの手技を行う際のリスクと考えられ、術前の正確な評価が望まれている。我々はCT検査を用いた大動脈蛇行係数(ATI)を開発し、大動脈弁狭窄症患者の患者背景や治療後の評価を行った。今研究では、経皮的大動脈弁留置術を施行した大動脈弁狭窄 症患者を対象に分析を行った。ATI高値群では、術後のBNP低下は鈍化しており、周術期の人工ペースメーカー留置が必要となる完全房室ブロックの合併症が有意に多かった。これらの結果から、骨粗鬆症や加齢を基盤とした脊椎の変形は、大動脈の蛇行形成を促進し、大動脈弁狭窄症の進行や周術期の合併症に大きな影響を与えることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
骨粗鬆症や加齢を基盤とした脊椎の変形は、大動脈の蛇行形成を促進し、大動脈弁狭窄症の進行や高齢者における大動脈弁狭窄症手術後の合併症に大きな影響を与えることが明らかになった。高齢者における術後合併症を簡便に予測できる大動脈蛇行指数(ATI)は日臨床においても有用である可能性が高い。今後は、この大動脈蛇行係数を用いて、高齢者がかかえる循環器疾患全般への影響が明らかになれば本指標の開発は高齢者医療での社会的意義は高いと考えられる。
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