研究課題/領域番号 |
21K07391
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
上野 志貴子 熊本大学, 病院, 助教 (40571047)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ALアミロイドーシス / PIC / PAP / 線溶系 |
研究開始時の研究の概要 |
ALアミロイドーシスは、異常形質細胞から産生される免疫グロブリン軽鎖が変性し全身の臓器に沈着し、各臓器の機能不全を引き起こす予後不良の疾患である。予後改善には早期発見が必須で、その診断のためには生検でALアミロイドの沈着を証明することが必要であるが、早期発見も生検も困難な場合が多い。我々の研究グループは、線溶系活性化の指標であるplasmin-α2 plasmin inhibitor complex (PAP)がALアミロイドーシスで特異的に上昇することを発表した。診断法としてのPAP測定の有益性を広め、ALアミロイドーシスの早期発見、早期治療に結びつけるため、PAP上昇の機序を解明する。
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研究実績の概要 |
ALアミロイドーシスにおいては、PAP/PICが優位に上昇し、ALアミロイドーシスの診断に有用である。 我々は2013年5月から2021年4月までに熊本大学病院で全身性ALアミロイドーシスと診断され、フォローアップを受けていた患者28名からデータを収集した。PAP値は心臓あるいは腎臓のいずれかのみに病変を有する症例よりも心臓と腎臓の双方に病変を有する症例で有意に高値であった。これは、PAPの上昇は沈着したアミロイドの量に関係することが示唆される結果であった。さらに、診断時にPAPの中等度以上の上昇を認めた患者において解析したところ、6ヵ月時点では血液学的奏功とPAPの低下率は関連を認めないが、12ヵ月時点では血液学的奏功群では有意にPAP低下率が低かった。 次に、PAPの低下と予後との相関について検討したところ、PAPの低下が得られない症例は予後不良である、つまりPICの低下率は予後予測因子であることが言えた。 上記結果を、今年度の日本血液学会総会で発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
CAR-T療法の導入など、臨床の他業務に忙殺され、研究の時間の確保が困難。
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今後の研究の推進方策 |
まずは上記データをまとめ、2023年度に日本血液学会総会で発表するとともに、論文化する。その後、メカニズムの解析のためのin vitroの実験を行う予定である。
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