研究課題/領域番号 |
21K07396
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
関 要 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (90772848)
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研究分担者 |
千本松 孝明 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (70216563)
杉 佳紀 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (70792977)
小谷 典弘 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (90342782)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | SGLT2阻害薬 / HFrEF / microRNA / エクソソーム内miRNA |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病治療薬sodium/glucose cotransporter 2 (SGLT2) 阻害薬は、糖尿病を有する心不全患者のみならず、糖尿病に罹患していない心不全患者にも有効性が示されているが主たる心保護メカニズムは不明である。本薬剤は心筋細胞ではなく、近位尿細管上皮細胞に作用点があるため、そこから何らかの因子が分泌され、心筋細胞に影響していることが推測された。本研究は、患者血中エクソソーム内microRNAに着目し、SGLT2 阻害薬により誘発されたエクソソーム内microRNAこそ主たる心保護作用因子であるとの仮説を立て、心保護作用機序の解明のための前向き臨床観察試験を遂行する。
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研究実績の概要 |
糖尿病治療薬Sodium/glucose cotransporter 2 (SGLT2) 阻害薬は、糖尿病を有する左室収縮機能障害による心不全(Heart failure with reduced ejection fraction: HFrEF) 患者のみならず、糖尿病に罹患していないHFrEF 患者にも心保護有効性が示され、極めて高い注目を浴びている。それを踏まえ最新のガイドラインでは心不全治療におけるSGLT2阻害薬の位置づけは基本治療薬に肩を並べるものに変わってきている。一方、SGLT2阻害薬の心保護メカニズムについては利尿作用による前負荷軽減や血圧降下作用による後負荷軽減、心臓でのエネルギー代謝の改善、心筋でのNa+/H+交換輸送体の阻害など多面的な効果によるものが挙げられているものの、未だ主要なメカニズムは不明のままである。興味深いことにSGLT2チャネルは心筋細胞を始めとする心臓を構成する細胞には発現しておらず、近位尿細管上皮細胞にのみ発現している。すなわち、本薬剤は心筋細胞ではなく、近位尿細管上皮細胞に作用点があり、その結果として心保護作用を示したことになる。考え得る連関の1つとして、SGLT2チャネル抑制より腎臓から何らかの因子が分泌され、心臓の細胞群に影響していることが推測された。そこで研究者らは、患者血中エクソソーム内microRNA(miRNA) に着目し、SGLT2 阻害薬により誘発されたエクソソーム内miRNAこそ主たる心保護作用因子であるとの仮説を立て、心保護作用機序の解明のための前向き臨床観察研究を遂行する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の想定よりも登録患者数は減らしている。原因としては入院当初の左室駆出率が40%未満の症例であっても2,3週間の入院期間中に心機能の改善を認め、本研究のエントリー基準を満たさない左室駆出率40%以上となる例を少なからず経験した。また、各症例において退院前、 Sodium/glucose cotransporter 2 (SGLT2)阻害薬開始となる退院後2週間、さらにその1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後の計5ポイントで血液を採取し、エクソソームを単離。そこからmicroRNA を含む全RNAを抽出し、small-RNA seq を用いてmicroRNAを計測するというのが本研究の概要であるが、small-RNA seqのコストが高く、当初の予定通りに行うことは困難と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画よりは症例登録数が減ったが、small-RNA seqを用いてmicroRNAを計測する予定となっている。心不全の原因疾患によって結果に違いが出るかなど検索する予定。
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