研究課題/領域番号 |
21K07399
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
福島 健 東邦大学, 薬学部, 教授 (00272485)
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研究分担者 |
辻野 尚久 東邦大学, 医学部, 客員准教授 (00459778)
田形 弘実 東邦大学, 医学部, 助教 (50888542)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | At-risk mental state / 精神病発症危険状態 / ARMS / 精神病発症危険状態(ARMS) / メタボロミクス / 高分解能質量分析計 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では精神病発症危険状態(ARMS)と初発発症した患者で濃度が異なる血清分子を調べることで、発症予測マーカー分子を探索する。本研究の概要は 次に記す①~③である。①発症予測に役立つ診断方法の創出 ⇒ 発症の危険が高いARMS患者に対してのみ、ARMS段階から早期治療介入を可能とする。②発症に関わる分子の濃度変動を特定することで、統合失調症の発症に関わる新たな生合成・代謝経路を明らかにでき、統合失調症の発症を防ぐ創薬研究に結びつくことも期待される。③将来的に職場の健康診断(血液検査)で統合失調症発症リスクが分かり、早期治療に役立つ。
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研究実績の概要 |
精神病発症危険状態(At-risk mental state, ARMS)における生体分子濃度の変化などの生化学的、臨床化学的な情報は未だ少ない。今年度は、本研究課題の最終年度であることから、本研究期間において創製した誘導体化試薬CIM-C2-NH2を使用してヒト血清中有機酸の分離検出を検討し、その後、ARMS(n = 22) および健常人(n = 22) の血清中有機酸濃度を比較検討した(本学医学部倫理委員会承認番号A17039-26012、薬学部生命倫理委員会承認番号2016-006)。文書による同意を得た健常人の血清30 μLをサンプリングし、メタノールとアセトニトリルの混液で除タンパクした後、遠心分離した。この血清試料をCIM-C2-NH2で誘導体化し、ODSカラムを装着したLC-MS/MSで分析を行った。その結果、ヒト血清からD-3-ヒドロキシ酪酸、アセト酢酸、馬尿酸、コハク酸、グルタル酸、L-乳酸が検出された。また、併せて、酵素法によりグルコースとピルビン酸の定量を行った。 次に健常対象群とARMS群で比較解析を行ったところ、D-3-ヒドロキシ酪酸、アセト酢酸、馬尿酸、コハク酸、グルタル酸では有意差が認められなかったが、L-乳酸とグルコースにおいて、有意差が認められた。L-乳酸の結果は、以前に当教室でカラムスイッチングHPLC-蛍光検出法で行った結果と同様であった。このことから、本研究で開発した誘導体化試薬CIM-C2-NH2ならびにLC-MS/MS法による定量法の妥当性が支持された。また、解糖系に着目し、L-乳酸とグルコースの比率を算出したところ、ARMS群は健常人群よりも有意に減少しており(補正p値:0.001)、ARMS群ではグルコースからL-乳酸を生成する解糖系に異常がある可能性が示唆された。
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