研究課題/領域番号 |
21K07405
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 第一薬科大学 |
研究代表者 |
炬口 真理子 第一薬科大学, 薬学部, 教授 (10379430)
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研究分担者 |
角山 圭一 姫路獨協大学, 薬学部, 准教授 (70454767)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 多発性骨髄腫 / レナリドミド / バイオマーカー / セレブロン / ユビキチン結合酵素 / 免疫調整薬(IMiDs) / ユビキチン-プロテアソーム系 / 免疫調整薬(IMiDs) |
研究開始時の研究の概要 |
多発性骨髄腫の初回治療薬の一つである免疫調整薬(IMiDs)の効果予測マーカーを同定し、検査法を構築して個別化医療を確立するために、①IMiDsによりユビキチン化されずに蓄積する蛋白Aとその特異的E2を同定する。②蛋白AがERストレスを高め、ERストレス応答を破綻させて細胞死を誘導すること、次いでその効果がE2量と相関することを明らかにする。③蛋白AのE3を人工的に合成して「ユビキチン化検出法」にてE2活性を高感度に測定する。④MM患者骨髄液中のE2活性をIP-WB法及び「ユビキチン化検出法」で測定し、その値が患者病態を反映することを明らかにする。
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研究実績の概要 |
2021年度、レナリドミドは、E3複合体CRL4(DDB1-Cul4-Roc1-CRBN)のセレブロン(CRBN)に結合して基質蛋白Ikaros及びAiolosのプロテアソームでの分解を誘導することを確認した。次にIkaros、Aiolosの特異的E2をバイオマーカー候補とするにあたり、Trypsin Resistant Tandem Ubiquitin-binding Entity法を用いて特異的E2探索したが同定できなかった。 2022年度、新たにE2 scan Kit(Ubiquigent社)を用いてE2探索を試みた。E3複合体CRL4と基質Ikarosを34種のE2酵素とそれぞれ反応させウエスタンブロット(WB)法によりIkarosの特異的E2を調べたところ、数種 (UBE2D1、2D2、2D3、2E1、2G1など)のE2と反応し、非特異反応を除外することができなかった。また再現性もとれてなかった。Aiolosについても同様の結果であり、Ikaros、Aiolosの特異的E2が同定されなかった。 2023年度、IkarosのE2候補をUBE2D1、2D2、2D3、2E1、2E3、2G1、2I、2L6に限定して実験を行った。MM細胞株KMS-11にレナリドミドとプロテアソーム阻害剤ボルテゾミブを添加したところ、レナリドミド濃度依存的にユビキチン化Ikarosは増加していた。我々はこれまで、ボルテゾミブによりユビキチン化E2が増加することを実証しているので、IkarosのE2候補UBE2D1、2D2、2D3、2E1、2E3、2G1、2I、2L6の各々について、免疫沈降(IP)法を用いてE2およびユビキチン化E2を測定したところ、ユビキチン化UBE2G1が他に比べて増加していた。以上の結果から、UBE2G1がレナリドミド添加時に作用するE2ではないかと考えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の計画では、免疫調整薬(IMiDs)が結合するユビキチンリガーゼ(E3)であるセレブロンの特異的ユビキチン結合酵素(E2)をTrypsin Resistant Tandem Ubiquitin-binding Entity法またはE2検出kitを用いて同定することを目指していたが、同定できなかったため、候補として上がった8種のE2についてユビキチン化反応を検討することにしたが、未だ全種について検討できていない。
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今後の研究の推進方策 |
実験が当初の予定通りに進まず、延長することとなった。 レナリドミドによりプロテアソームで分解誘導されるIkarosのE2を8種類に絞って、ユビキチン化反応およびE2発現量の変化などを比較することにより、特定のE2がバイオマーカーとして有用であるかを検討する。
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