研究課題/領域番号 |
21K07409
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
岡本 三紀 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, 糖鎖オンコロジー部 主任研究員 (20332455)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 腫瘍マーカー / 糖鎖 / HPLC / 質量分析 / MS |
研究開始時の研究の概要 |
腫瘍マーカー測定は抗体を用いた免疫反応を利用した定量方法が一般的であるが、一抗原に対し一測定が必要で、多項目同時測定はできない。これまでのがん患者血清を用いた腫瘍マーカー探索で、新規腫瘍マーカー候補を20種類以上同定した。その血清レベルを測定した結果、がん患者ごとに高値を示す糖鎖構造が大きく異なることを示し、正確ながん診断には複数マーカーによる多項目測定が必要であることがわかった。そこで本研究では、がん患者の血清糖鎖構造の変化を質量分析により高精度・高感度に検出し、複数マーカーの同時測定により確実ながん診断システムの開発を目指す。
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研究成果の概要 |
がん患者の血清中O型糖鎖プロファイルを健常者と比較することにより、がん患者特異的な糖鎖構造の探索を行った。これまでに報告のある短いO型糖鎖ではなく、伸長型O型糖鎖に着目し、その検出方法の最適化を行った。確立した方法を用いて見出した糖鎖構造のがん患者血清中レベルは、一部の患者検体で高値であるものの、全てのがん患者で高い値を示すわけではない。これらの結果より、検体ごとに腫瘍マーカーとなり得る糖鎖構造が異なること示した。患者ごとに異なるがん診断マーカーを検出するには、多項目同時診断測定が可能な質量分析が有効である。その測定方法の検討も行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖鎖腫瘍マーカーはがん検診あるいは治療後のモニターとして利用されているが、全てのがん患者に有効ではない。がん患者の糖鎖構造は、糖鎖合成不全により短いO型糖鎖が増加すると報告されてきた。これらは糖転移酵素の活性によるものであり、本研究で示した伸長構造を合成することもある。個々のがん検体で腫瘍マーカーとなり得る糖鎖構造は異なるため、より多くの腫瘍マーカー候補となる糖鎖構造の組み合わせにより、より多くのがん検出が可能となる。多項目同時測定が可能な質量分析によるがん診断は、これまで検出できなかったがん患者の検出が期待できる。
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