研究課題/領域番号 |
21K07414
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
佐々木 勉 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任教授 (20534879)
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研究分担者 |
田村 淳 帝京大学, 医学部, 准教授 (00362525)
松村 成暢 大阪公立大学, 総合リハビリテーション学研究科, 准教授 (70467413)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | タイトジャンクション / グリア細胞 / 血管内皮細胞 / クロ―ディン / オクルディン / 神経病態 |
研究開始時の研究の概要 |
BBBを構成する脳血管内皮細胞は、細胞間接着装置であるタイトジャンクション(TJ)を介して互いに接着し管腔構造を構築する。BBBの構築・制御には脳血管内皮細胞だけでなく、その周囲に存在するアストロサイトも深く関わる。最近、申請者らは、アストロサイトにTJ の構築と機能の分子基盤である接着分子クローディンが発現することを発見。しかし、間葉系のアストロサイトにてTJが構築され細胞間バリアとして機能するかは不明であり、その生理的・ 病態生理的意義は未開拓領域である。本研究ではアストロサイトにおけるTJの構築メカニズムと、その生理的及び神経疾患病態の意義を解明し、BBBの操作基盤を開拓する。
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研究実績の概要 |
BBBの構築制御には 血管内皮細胞だけでなく、その周囲に存在するアストロサイトも深く関わる。最近、申請者らは、アストロサイトにTJの構築と機能の分子基盤である接着分子クローディン(Cldn)が発現することを見出した。本研究では、神経病態下における、特に、脳梗塞後におけるBBBにおけるアストロサイト、血管内皮におけるCldn、オクルディン(occludin)などのTJ蛋白の動態を検討。OccludinもBBBでは、血管内皮に加えて、アストロサイトにも発現している。そこで、occludinノックアウトマウス、Cldn遺伝子改変マウスなどを作成し意義を検討。オクルディンは生理的な状態においてはノックアウトマウスを作製してもBBBの構築は保たれ、他方、in vivoでの検討も少なく、病態での意義も不明のため検討した。脳梗塞後にオクルディン、Cldn-5,ZO-1のmRNA発現は急性期から低下し、オクルディンと同じMARVELファミリーのトリセルリンは脳梗塞後6時間まで維持されていたが、その後徐々に減少。免疫蛍光染色では,脳梗塞の24時間後、オクルディンの発現が低下し、Cldn-5とZO-1の発現が低下した。オクルディンKOマウスでは、脳梗塞による梗塞サイズが増大し、神経機能が急性期から慢性期まで悪化し、死亡率が上昇した。オクルディンKOではWTよりクローディン-5とZO-1のmRNA、蛋白発現量が低下。分子量10kDaの蛍光ラベルデキストランの血管外漏出は,脳梗塞後7日後でもKOが野生型よりも増大。これらの検討より、オクルディンは、特に脳梗塞後において、Cldn-5とZO-1の発現を制御することによりBBB機能を調節し、脳梗塞後の急性期から慢性期に至るまでBBB障害に関与し、神経学的な悪化をもたらしていた。更に、アストロサイトにおける各種、Cldn、オクルディンの検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの感染拡大が続いたこと、更に、大阪大学医学部附属動物実験施設の改装、新規移転などの影響が動物実験などに出ました。改修工事が終了し、2022年度前半期における、マウスの新施設導入にあたり、全てクリーンアップが必要である大学での取り決めもあり、Cldn遺伝子改変マウスの実験などが遅れている。上述のように、occludinノックアウトマウスについては、論文化して報告したが(Sci Rep. 2023 Feb 18;13(1):2892) 、Cldn遺伝子改変マウスについては、アストロサイト特異的マウスなどの作製のため、施設改修の影響などを受けやすいため、進捗がやや遅れている。アデノ随伴ウイルス(AAV)を用いたBBBへの遺伝子導入実験については、現在、より精製度の高いAAVウイルスを作製している。AAVについては、作製法により、empty virus particleができやすいことが知られており、高精製されたウイルスを使用することが重要であることが判明している。これらのことを踏まえ、AAVの精製度を上げているところである。
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今後の研究の推進方策 |
アストロサイト特異的Cldn10bノックアウトマウスの検討などの実験、及び、semi-in vivo 単離Neurovascular unitなどを用いて、アストロサイトにおける各種Cldnの脳梗塞を中心とした神経病態の意義の検討を進める。更にAAV実験に使用するためのAAVウイルス作製については、他実験において、既に、本学工学部との共同研究体制がある。本実験のウイルスについても、そのような枠組みの中での作製を進めている。また、ヒトにおけるTJ関連蛋白の動態はあまりわかっていない。そのため、死後脳の切片などを用いて、ヒトの脳梗塞におけるCldnの発現様式なども検討していく予定である。
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