研究課題/領域番号 |
21K07417
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
佐藤 克也 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (70398147)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 神経変性疾患 / QUIC / シヌクレイン / TDP-43 / タウ蛋白 / 蛋白増幅法 / シヌクレイン蛋白 / 蛋白増幅法の検出法 / バイオマーカー / αシヌクレイン |
研究開始時の研究の概要 |
特有の領域の神経系統が侵され、神経細胞を中心とする様々な退行性変化を呈する疾患群である神経変性疾患は異常蛋白が蓄積する。異常蛋白は蛋白分解酵素で分解されずにミスフォールドタンパク質として凝集を形成する。現在まで神経変性疾患の診断法は臨床症状と画像診断のみである。しかし髄液を含めた生体材料から異常蛋白を検出する事が可能となれば第3の神経変性疾患の診断法となりえる。2011年よりプリオン病患者で異常蛋白増幅法を成功し、2015年レビー小体病の髄液から異常蛋白増幅法にも成功した。本研究は異常蛋白増幅法を利用し、神経変性疾患患者の生体材料からの神経変性疾患の特異的な異常蛋白の検出を本研究課題とする。
|
研究成果の概要 |
神経変性疾患は、特定の神経系が侵され、神経細胞を中心に退行性変化を呈する疾患群である。その原因は異常蛋白の蓄積にあり、正常には分解されずに凝集体を形成する。生体材料から異常蛋白を検出できれば、新たな診断法となりえる。本研究では、異常蛋白増幅法を利用して神経変性疾患患者の生体材料から疾患特異的な異常蛋白を検出することを目指した。シヌクレインQUIC法を用いて脳組織や髄液中のαシヌクレイン、TDP-43 QUIC法でTDP-43の検出に成功した。一方、3Rタウと4Rタウを鑑別検出する系の確立を試みたが、成功していない。生体材料からの異常蛋白検出には実用化に向けてはさらなる検討が必要である。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の症状や画像所見に加え、異常蛋白を検出できればより早期の段階で神経変性疾患を診断できる。早期診断により、症状の進行を遅らせたり、QOLを維持したりできる。又異常蛋白の種類や蓄積レベルを定量評価できれば、個々の疾患の発症メカニズムや病態をより深く理解できる。これは新しい治療法の開発につながる。さらに、異常蛋白をバイオマーカーとして用いれば、新薬の有効性評価が正確になり、有望な治療法の臨床開発が促進される。生体材料からの検査は比較的侵襲が少なく簡便であり、検出法が実用化されれば広く普及する。このように異常蛋白検出技術の確立は神経変性疾患の診断・治療の向上に寄与し、その社会的意義は大きい。
|