研究課題/領域番号 |
21K07428
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 信二 藤田医科大学, 医学部, 教授 (40572079)
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研究分担者 |
渡辺 宏久 藤田医科大学, 医学部, 教授 (10378177)
加藤 昇平 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70311032)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | パーキンソン病 / 音声解析 / 人工知能 / 機械学習 / 診断支援システム / 発話特徴 / 早期診断 / 遠隔医療 |
研究開始時の研究の概要 |
パーキンソン病(PD)は高齢者の移動困難を来す代表的な神経難病である。診断は脳神経内科専門医による運動緩慢、筋強剛、振戦などの診察や、画像検査、L-ドパの治療効果判定などにより行われる。一方、頸椎症、脳梗塞、関節障害等の他疾患や、加齢のみでも類似の症状を来すため、プライマリ・ケア医が早期PDに気づきにくい、あるいはPDでないのにL-ドパなどの治療薬が投与されている症例が存在する。そこでこの研究では、プライマリ・ケア医が簡便にPDの可能性に気づき、専門医に紹介できるシステムとして、人工知能や機械学習を用いて、PD患者の音声・発話を解析し、PDに特徴的な早期の音声変化を適切に評価する診断支援システムの確立を目指す。
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研究実績の概要 |
令和5年度は、藤田医科大学病院脳神経内科において令和4年3月までの2年間に集積したパーキンソン病(PD)患者116名、健常者94名のレジストリにおいて、日常頻用される3単語の発話のみでF値0.906の高精度で両者を鑑別しうるデータを得て、国内関連学会での発表を行った (62回日本生体医工学会大会 Young Investigator's Award 最優秀賞、第85回情報処理学会全国大会 大会優秀賞、投稿準備中)。 また、研究期間中の3年間で、PD患者および健常者のレジストリの集積が順調に進み、PD患者の発話特徴を抽出しつつ、PD患者、PD関連疾患患者と健常者との違いを検出するシステムをほぼ構築した。並行して個々のPD患者においては、運動症状すなわち歩行や日常動作などを反映する各種臨床指標や、認知機能、自律神経機能、生化学的バイオマーカー等の網羅的な情報収集を進めており、これらの情報と発話特徴との相関関係を明らかにする基礎を確立した。 現在、発話音声によるPDの簡易診断精度について、より多数のセカンドコホートでの検証を進めている。またPDの進行過程における発声・発話の変化にも着目し、現在進行中の藤田医科大学病院脳神経内科のPDレジストリに蓄積されつつある他の症状との比較において、PD治療の転換点となる症状の変化、すなわち認知症や精神症状・幻覚の出現などの迅速かつ簡便な検出に応用できないかを検討中である。
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