研究課題/領域番号 |
21K07430
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 長崎総合科学大学 |
研究代表者 |
本村 政勝 長崎総合科学大学, 工学研究科, 教授 (70244093)
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研究分担者 |
松尾 秀徳 独立行政法人国立病院機構長崎川棚医療センター(臨床研究部), 医歯(薬)学総合研究科, 教授(移行) (20380975)
吉村 俊祐 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (70746635)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 重症筋無力症 / トリプトファン固定化カラム / Protein A固定化カラム / 免疫グロブリンG / ヒンジ部位 / アフィニティークロマトグラフィー法 / 免疫吸着 / アミノ酸固定化 カラム / 病原性自己抗体 / 神経筋接合部 / ランバート・イートン筋無力症候群 |
研究開始時の研究の概要 |
アミノ酸を固定化したアガロース担体カラムと神経筋接合部に対する病原性自己抗体を用いたIn vitro・基礎的研究を行い、アミノ酸固定化カラムがどのようにして病原性自己抗体を除去するかを解明する。本邦では、L-トリプトファン(Trp)固定化カラムである選択的血漿成分吸着器が、重症筋無力症患者の血漿交換治療に臨床応用されているが、ガイドラインでの評価は低い。その作用機序は、Trpが有する疎水性が重要であると推測されてきた。本研究では、20種類のアミノ酸固定化カラムを作成し、高力価のAChR抗体を有する精製免疫グロブリン検体を用いて、アフィニティークロマトグラフィー法で抗体の吸着・除去実験を行う。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、重症筋無力症の免疫吸着治療で臨床応用されているアミノ酸固定化カラムの作用機序を解明することである。20種類のアミノ酸固定化カラムの検討では、トリプトファン(Trp)固定化カラムが最も免疫グロブリンG(IgG)を吸着できることが判明した。次に、IgGを断片化してTrp固定化カラムとProtein A固定化カラムで比較した。その結果、Protein AカラムはIgG断片化の影響を受けなかったが、Trpカラムでは、パパイン消化でヒンジ部位の構造が無くなるとIgGの吸着・溶出が極端に低下した。 以上の結果より、Trp固定化カラムのIgG吸着には、IgGのヒンジ部位の構造が重要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的意義は、20種類のアミノ酸の中で、トリプトファン(Trp)を固定化したカラムが最も免疫グロブリン(IgG)を吸着でき、これまで未解決であったアミノ酸固定化カラムの作用機序を、「Trp固定化カラムのIgG吸着には、IgGのヒンジ部位の構造が重要である」と結論できた点である。この結果は、重症筋無力症に限らず、病原性自己抗体を有する多くの疾患にこの免疫吸着カラムが有用であるというエビデンスに繋がる。また、本研究の社会的意義は、本邦で開発されたTrpを固定化した免疫吸着カラム(イムソーバTR-350)を世界レベルに普及させ、自己抗体病の患者さんに多くの恩恵をもたらすことが期待される。
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