研究課題/領域番号 |
21K07438
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松瀬 大 九州大学, 大学病院, 講師 (70596395)
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研究分担者 |
山口 浩雄 九州大学, 大学病院, 特任講師 (00701830)
真崎 勝久 九州大学, 大学病院, 講師 (90612903)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 多系統萎縮症 / モデルマウス / ミクログリア / α-Synuclein / αシヌクレイン / オリゴデンドログリア / バイオマーカー / 多系統萎縮 |
研究開始時の研究の概要 |
多系統萎縮症(MSA)は小脳、錐体外路、自律神経、錐体路障害などをきたす難治 性の神経変性疾患であり、オリゴデンドログリアに凝集したα-Synuclein(αSyn)が蓄積しglial cytoplasmic inclusion(GCI)を形成する。私たちはすでに、オリゴデンドログリア特異的にヒト変異αSynA53Tを任意の時期に発現するMSAモデルマウスを作成しており、予備実験でミクログリアのあるサブポピュレーションが病態増悪に関与する結果を得ている。 本研究では、病態に関与するミクログリアのサブポピュレーションを解析し、患者サンプルでも検証するとともに、新規治療薬の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
私たちが作成した新規多系統萎縮症(MSA)モデルマウスにて、組織学的にはミクログリアの著明な増加がみられ、病態への関与が考えられた。CSF1R阻害薬にてミクログリアの一部を除去すると、運動症状、組織学的所見はむしろ悪化することが分かり、single cell RNA sequencingにより、病態の悪化に関与するミクログリアの同定を行った。をまた、α-Synuclein除去治療も行い、発症前投与では有効性を見出した。またα-Synucleinのオリゴマーは発症前に発現がピークとなるのに対し、リン酸化α-Synucleinは病期の進行とともに徐々に蓄積することが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多系統萎縮症はいまだ治療法のない、最重症の神経難病の一つである。その治療法の確立のためには、まず病態を解明し、病態の増悪に関わる因子を明確にすることが必要不可欠である。私たちはそのために、多系統萎縮症の病態を反映し、また急速に進行するマウスモデルを作成した。進行が早いこのモデルを解析することで、本疾患の病態の解明や、治療薬の効果判定が速やかに可能となる。本研究で、病気の要因と考えられるα-Synucleinの動態や、病態増悪に関わるミクログリアの特徴、また適切な治療介入時期について新たな知見を得ることができた。現在進行中のさらなるモデル動物解析や候補治療薬の実験により、研究の進歩が期待される。
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