研究課題/領域番号 |
21K07454
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
代田 悠一郎 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60804143)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 神経回路 / 非侵襲的脳刺激 / 脳磁図 / てんかん / 神経変性疾患 / 非侵襲的脳刺激法 / ネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
てんかん発作リスクを予測するために、大局的な神経回路異常と脳局所での興奮性異常を同定し統合的な解析することが有効な可能性がある。脳磁図記録から脳全体のネットワーク挙動を明らかにし、個々の患者ベースでのネットワーク変調をとらえるアルゴリズムを開発する。その結果をもとに発作と関連する脳部位の興奮性を非侵襲的脳刺激法などにより評価する。最終的には両者の統合を通じて、精度の高い発作予測・合理的な治療方針決定・てんかん診療の向上が期待できる成果をあげることを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、大局的に発作関連部位を同定するために大規模脳磁図データを用いた検討を行い、脳局所の興奮性を精密に判定するために経頭蓋磁気刺激等の非侵襲的脳刺激法を用いた研究を行うものである。最終的に両者の成果を統合し、的確なてんかん発作リスク予測・治療方針決定に役立つことを検証してゆくことを目指し本年度の研究を遂行した。本年度は、① 神経変性疾患であるALSとMSAにおいて錐体路を構成する神経線維の障害程度に差があることを磁気刺激に対する脳局所興奮性の生理学的指標計測を通じて示した(Shirota et al. Clinical Neurophysiology Practice 2022)。②脳磁図分野においては、前処理として広く用いられているtSSS法の有用性と最適パラメータの検討を行った。前処理パラメータを的確に設定することで、脳磁図センサーレベルのデータ(波形)から対応する脳活動を解剖学的により正確に同定できる可能性を示した(第52回日本臨床神経生理学会学術大会において一般演題として公表、現在論文執筆中)。③ 引き続き、脳刺激下での脳磁図測定の実施可能性について、ファントム(頭部模型)を用いた予備的検討を継続し実現可能性について一定の手ごたえを得た。用いるファントム電流源の位置をさらに増やし頭蓋内の広い範囲を網羅的に調べることにより、脳磁図による電流源推定において経頭蓋直流電流刺激の有無は大きな影響を及ぼさないことが示唆された。以上、次年度に向け各要素を有機的に統合するための基礎的な検討が行えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
脳磁図を用いた大局的神経回路解析、非侵襲的脳刺激法を用いた脳局所興奮性の検討は進んでいるが、てんかん患者に対する適用に十分至れていない。
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今後の研究の推進方策 |
脳磁図データの前処理法に関する論文を完成させる。非侵襲的脳刺激法と脳磁図の組み合わせ、てんかん患者への応用を引き続き進める。
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