研究課題/領域番号 |
21K07456
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
瀧山 嘉久 山梨大学, 大学院総合研究部, 医学研究員 (00245052)
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研究分担者 |
下園 啓介 山梨大学, 医学部附属病院, 薬剤師 (10937949)
土屋 舞 山梨大学, 大学院総合研究部, 臨床助教 (30722615)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 遺伝性痙性対麻痺 / 新規原因遺伝子 / 分子病態 / UBAP1 / SPG80 / SPG83 / SPG15 / HSP / knock-in mouse / development of treatment / SPG4 / ZFYVE26 / HPDL |
研究開始時の研究の概要 |
遺伝性痙性対麻痺(HSP)は現在分子遺伝子学的にSPG1~SPG83に分類されこのうち70を超える原因遺伝子が同定されている。一見孤発性と思える症例もHSPであることも知られている。我々が行ったJASPACによる本邦HSPの分子疫学的検討では優性遺伝性(ADHSP)の35%と劣性遺伝性(ARHSP)の50%が原因遺伝子未同定である。本研究では、JASPACで集積している原因遺伝子未同定のADHSP家系ARHSP家系・孤発例について、新規原因遺伝子を同定してHSP発症に至る分子病態機序の解明から治療法の開発へ繋げる。
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研究成果の概要 |
国際共同研究としてHPDL変異が遺伝性痙性対麻痺 (HSP)を起こすことをはじめて見出し(SPG83)、SPG15 (36家系、44名)の臨床像、神経画像、分子遺伝学的特徴を明らかにした。国内では、REEP2変異、Chediak-Higashi症候群、乳児期発症SPG4、一卵性双生児SPG4、SPG31の臨床像と分子遺伝学的特徴を明らかにした。 SPG80の表現型を再現したはじめてのモデル動物 (UBAP1 knock-in mouse)を作成してHSPの治療法開発研究を行った。その結果、薬剤XがUBAP1 knock-in mouseの歩行障害を用量依存性に改善させることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、遺伝性痙性対麻痺 (HSP) の新規原因遺伝子HPDLを国際共同研究としてはじめて同定することができた。HPDLはミトコンドリアに局在して神経細胞分化に関係しているが、HPDL変異により若年発症の純粋型HSPから全般性発達遅延を伴う乳児期発症HSPを引き起こすことが判明した。SPG15、SPG30については、海外あるいは国内のコホート研究を行い、臨床像、神経画像、分子遺伝学的特徴を明らかにした。 HSPの治療法開発研究では、薬剤XがSPG80のモデルマウスの歩行障害を用量依存性に改善させることをはじめて見出した。薬剤Xは、HSPの疾患修飾薬として使用できる可能性があると思われる。
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