研究課題/領域番号 |
21K07462
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 大阪大学 (2023) 徳島大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
原 英之 大阪大学, 感染症総合教育研究拠点, 特任准教授(常勤) (40469953)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | プリオン / ネクロトーシス / 神経変性 / 異常型 / プリオン病 |
研究開始時の研究の概要 |
プリオン病は、正常型プリオン蛋白質が感染性を有するプロテアーゼK抵抗性の異常型プリオン蛋白質へと構造変換し発症するが、その分子機構は不明であり、治療法も存在しない。申請者は、異常型プリオン蛋白質を感染した細胞に、プログラム細胞死の1つであるネクロトーシスの阻害剤を添加すると、異常型プリオン蛋白質の産生が抑制されることを発見した。 そこで本研究では、ネクロトーシスが異常型プリオン蛋白質産生のトリガーとなりえるのかを明らかにすることで、異常型プリオン蛋白質産生メカニズムを解明する。
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研究成果の概要 |
プリオン病は、健常神経組織に発現する正常型プリオン蛋白質が、プロテアーゼK抵抗性の異常型プリオン蛋白質に構造変換し、中枢神経に蓄積する神経変性疾患であるが、その分子機構は不明であり、治療法も存在しない。 研究代表者は、インフルエンザウイルスを感染したマウスの神経細胞は、ネクロトーシスを惹起し、異常型プリオン蛋白質が産生することを発見している。そこで本研究では、ネクロトーシスが異常型プリオン蛋白質産生のトリガーとなるのではないかと考え、マウスの神経細胞に、薬剤を用いてネクロトーシスを惹起したが、異常型プリオン蛋白質の産生は確認できなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
プリオン病は、病因が不明で治療法も存在しない希少疾患であるが、潜在的リスク保有者が多数おり、治療・予防法の確立が求められている。ネクロトーシスが異常型プリオン蛋白質産生のトリガーとなるのではないかという研究代表者の発見は、異常型プリオン蛋白質産生メカニズムの解明に新たな指針を与える。興味深いことにネクロトーシスの関与は、同じく蛋白質凝集体の蓄積が原因のアルツハイマー病やパーキンソン病でも報告されている。よって、プリオン病で得られた研究成果は、神経変性疾患全般の発症機構解明にフィードバックすることも可能となる。
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