研究課題/領域番号 |
21K07492
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
小川 眞太朗 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 行動医学研究部, 室長 (00756984)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 小児期逆境体験 / 逆境的小児期体験 / 幼少期トラウマ / 幼少期マルトリートメント / 精神疾患 / リン脂質 / バイオマーカー / トランスレーショナル研究 / うつ病 |
研究開始時の研究の概要 |
家族や家庭に問題があったり、暴力やいじめを受けるなどの、つらい子ども時代を過ごした人は、大人になってからうつ病などの心の病にかかりやすくなることが知られています。なぜそうなるのか?ということについて、「生物的な変化」、たとえば遺伝子上の修飾などが子ども時代の体験によって起こることが、最近わかってきました。この研究では、うつ病の患者さんで、つらい子ども時代を経験した患者さんとそうではない患者さんの血液を調べて、生物的な変化を示すしるし(マーカー)が見つかるかを調べます。もしもそんなマーカーが見つかり、生物的な変化がわかると、あるタイプの患者さんでのうつ病の原因・予防・治療法の研究に役立ちます。
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研究実績の概要 |
「逆境的小児期体験」は、うつ病を初め多くの精神疾患の発症リスクを上昇させ、難治性うつ病との関連も示唆されている。逆境的小児期体験が合併する患者群は、うつ病患者の中でも特異な生物的背景を持つ類型を形成している可能性が考えられる。もしも類型特異的なバイオマーカーが樹立できれば、治療法や病態機序の研究上きわめて有用である。本課題では、これまでの先行研究で幼少期ストレスが影響することが報告されている、脳白質のミエリンにおいての主成分である「リン脂質」の血中での動態と、逆境的小児期体験が伴う精神疾患の病態機序との関連に着目し、当 国立精神・神経医療研究センターの気分障害センター外来に受診した患者およびボランティアで参加した健常者を対象としての検討を行なうものである。 本課題での症例数の設定について、当初計画での患者数は130名であったが、160名へと変更したほか、健常対照者数については当初は100名であった設定を80名へと変更した(トータル対象例数 230名 ⇒ 240名)。 現在までの状況としては、気分障害センターに登録された対象者のデータについて、心理尺度スコアの予備的解析を行ない、特に中心的なデータとして小児期逆境体験の指標である幼少期トラウマ質問票 (Childhood Trauma Questionnaire, CTQ) のスコアと、各種臨床情報、背景変数との関連についての予備的検討を行なった。また、CTQのスコアについて、その時点ごとの抑うつ気分の変化による思い出し(リコール)バイアスがあるか否かの解析を行なった。検体については、バイオバンクより払出しをいただいたものを測定種類ごとに分注を行なった。リン脂質の解析に先立ってラボ内で血漿中のアミノ酸関連分子の測定を行ない、CTQスコアやフォローアップ時の抑うつ症状スコアと有意に関連する分子を見出している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
これまでに気分障害センター検体の払い出しや健常対象者群の検体選定および準備のための作業に当初予定よりも大幅に時間を費やすこととなり、全体の進捗としては当初計画よりも遅れている。また、解析作業については、ラボ内の機器(超純水生成装置やプレートリーダー等)の故障のために作業の進捗が止まっていたことも、作業の遅れの一因となっていた。
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今後の研究の推進方策 |
次のステップとして重要なものは各項目の解析を進めることである。外注でのリン脂質の測定のための準備を進めるとともに、ラボ内での解析についても、アミノ酸関連分子以外の残りの項目についての測定を早急に進めていく。残りの項目の測定には主にELISAによる解析が必要であるが、その作業のために必要な機器が故障していた。それらの装置類についてはこれまでの対応によって復旧しており、今後も正常な機能を保ちつつ解析を行ない、研究を進めていく。
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