研究課題/領域番号 |
21K07501
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
梶谷 直人 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特任助教 (60755742)
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研究分担者 |
可野 邦行 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 助教 (50636404)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ドラッグリポジショニング / ドラッグ・リポジショニング / 抗うつ薬 |
研究開始時の研究の概要 |
現在日本で使われている抗うつ薬は、モノアミンに関連する薬理作用を持った薬物しかなく、これまでとは異なった薬理作用を持った抗うつ薬の開発が望まれている。研究代表者はこれまでに、リゾホスファチジン酸(LPA)1受容体作動薬が新たな抗うつ薬になる可能性を報告した。本研究ではドラッグ・リポジショニングを活用し約1600の既存薬からスクリーニングを行い、治験に繋がるLPA1受容体作動薬を同定することを目的とする。得られた薬物に関して、うつ病モデルマウスで抗うつ効果を評価し、うつ病治療薬としての有用性を検証する。
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研究実績の概要 |
現在日本で使われている抗うつ薬は、モノアミンに関連する薬理作用を持った薬物しかなく、薬物治療では難治性のうつ病患者もいることから、これまでとは異なった薬理作用を持った抗うつ薬の開発が望まれている。研究代表者はこれまでに、リゾホスファチジン酸(LPA)1受容体作動薬がモノアミンとは異なる薬理作用を持った新たな抗うつ薬になる可能性を見出した(Kajitani et al. 2016)。得られた成果を基礎研究で終わらせることなく臨床へと橋渡しするために、本研究ではドラッグリポジショニングを活用し約1600の既存薬からスクリーニングを行い、治験に繋がるLPA1受容体作動薬を同定することを目的とし、2021年度には約1600の既存薬から280化合物を候補化合物として選定することができた。 2022年度では、LPA1受容体作動薬の中でもGタンパク質バイアス型LPA1受容体作動薬が抗うつ効果に重要であることを明らかにし、Gタンパク質バイアス型LPA1受容体作動薬をマウスに投与することで抗うつ薬様行動を示すことを報告した(Kajitani et al., bioRxiv. 2022)。 これを踏まえ、2次スクリーニングではGタンパク質バイアス型LPAR1作動薬である可能性の高い化合物のスクリーニングをデザインし実験を行った結果、280化合物の内、有望な化合物を63化合物に絞ることができた。また、別のアッセイ系でもLPA1受容体活性を調べるvalidationが必要であると考え、これまでのTGFa shedding assay以外のLPA1受容体活性を調べるアッセイ系の予備的検討を行った。 今後は63の既存薬の脳移行性なども考慮し化合物をさらに絞り、動物実験を行い抗うつ薬様行動が見られるか検討する予定ある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
LPA1受容体作動薬の中でもGタンパク質バイアス型受容体が重要であることを報告でき、さらにスクリーニングがしやすくなった。それに伴い2次スクリーニングも完了することができた。
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今後の研究の推進方策 |
既存薬の中から、Gタンパク質バイアス型LPA1受容体作動薬を同定するために、2次スクリーニングまでで選択した63の既存薬に関して、さらに、別のアッセイ系でもLPA1受容体作動活性を調べる。また最終的に抗うつ薬として治験に適応できる可能性を考慮し、脳移行性などを考慮し、化合物をさらに絞り、うつ病モデルマウスを使用した動物実験を行い抗うつ薬様行動が見られるか検討する予定ある。
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