研究課題/領域番号 |
21K07502
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
寺尾 岳 大分大学, 医学部, 教授 (80217413)
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研究分担者 |
石井 啓義 大分大学, 医学部, 准教授 (00555063)
室長 祐彰 大分大学, 医学部, 助教 (00896285)
高谷 千里 大分大学, 医学部, 精神保健福祉士 (30896676)
堤 隆 大分大学, 保健管理センター, 准教授 (60284791)
平川 博文 大分大学, 医学部, 講師 (60793768)
泉 寿彦 大分大学, 医学部, 助教 (60895837)
釘宮 毅 大分大学, 医学部, 助教 (60896687)
吉岩 あおい 大分大学, 医学部, 教授 (70363570)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | うつ病 / 双極性障害 / 認知症 / GSK-3 / 遺伝子多型 |
研究開始時の研究の概要 |
国内外を通して、まったく新しい発想の研究であり、私どもの仮説自体が最近、双極性障害 研究の一流紙であるBipolar Disordersに掲載されたところである(Terao et al., 2020)。
うつ病→双極性障害→認知症への進展がGSK-3の多型によることが証明されれば、これは原因の明らかな疾患単位として(たとえば Mental GSK-3 diseaseという呼称で)、疾患分類の変更につながり、将来的にはICDやDSMに取り入れられることになるであろう。このような進展を有する患者かどうかを、初診時にGSK-3の多型からあらかじめ予測可能にもなり、オーダーメイド治療にも貢献できる。
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研究実績の概要 |
本研究は「うつ病→双極性障害→認知症という経過を、偶発的にではなく、必然的にたどる特異的な一群が存在し、その背景にGlycogen Synthase Kinase-3(GSK-3)が関与している」という仮説(Terao et al, Bipolar Disord, 2020)を検証することが目的である。そのために、精神科や総合診療科の患者を対象に行うGSK-3遺伝子多型の関連研究である。臨床的な経過から、7つの群に分けた(①うつ病のみ群、②双極性障害のみ群、③認知症のみ群、④うつ病→双極性障害群、⑤うつ病→双極性障害→認知症群、⑥うつ病→認知症群、⑦双極性障害→認知症群)。血液試料からGSK-3βのSNP(rs334535、rs334555、rs334558、rs6438552、rs6771023、rs1154597、rs1732170、rs2199503、rs3107669、rs11921360、rs11925868、rs11927974)を測定した。各SNPsのジェノタイプおよびアリル頻度について、臨床的経過から分類される7つの群における遺伝子多型の分布の差をカイ二乗検定で比較した。また、仮説に基づき、「認知症のみ群」と「うつ病→双極性障害→認知症群」の2群で比較を行った。年齢は2標本t検定で、性別はカイ二乗検定で比較した。遺伝子多型の分布の差をカイ二乗検定で比較した。これまでに、うつ病35名、認知症23名、うつ病→双極性障害26名、うつ病→双極性障害→認知症5名、うつ病→認知症6名をエントリーして、GSK-3遺伝子多型との関連を検討した。その結果、「うつ病→双極性障害→認知症」と「認知症」の2群での解析の結果、GSK-3βのrs334558において、遺伝子型は0.12と有意差は認めなかったが、アレル頻度は0.08と有意傾向にあった。さらに症例を蓄積していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当院精神科の入院患者や外来患者のうち、本研究に該当する患者に対して説明し同意を得ており、次年度も引き続いて行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
研究協力者を増やして、エントリー症例数を増やしていく予定である。
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