研究課題/領域番号 |
21K07506
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
|
研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
鹿内 浩樹 北海道医療大学, 薬学部, 講師 (00632556)
|
研究分担者 |
泉 剛 北海道医療大学, 薬学部, 教授 (60312360)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | うつ病 / テロメラーゼ / 海馬 / miRNA |
研究開始時の研究の概要 |
テロメア長は、テロメア伸長酵素テロメラーゼによって維持されている。しかし心理的ストレスによりうつ病が発症すると、テロメア長は異常に短縮することが報告されている。本研究は、うつ病動物モデルに見られるテロメア伸長酵素テロメラーゼの活性サブユニットTERTの発現量低下メカニズムや、セロトニン再取り込み阻害薬エスシタロプラムによるTERT発現量の回復機序を追究するために、うつ病モデル動物の海馬脳サンプルのマイクロアレイ解析から出発し、マイクロRNAによるテロメアーゼ発現の制御機構解明を行い、既存の仮説に捉われない新しいうつ病研究を展開するものである。
|
研究実績の概要 |
糖尿病や高血圧の疾患のみならず、心理的ストレスによりうつ病が発症すると、テロメア長は異常に短縮することが報告されている。従って、精神疾患とテロメア長には何らかの関係があることは明白である。テロメア長は、テロメア伸長酵素テロメラーゼによって維持されている。研究代表者は、うつ病動物モデルの海馬領域においてテロメア伸長酵素テロメラーゼの活性サブユニットTERTの発現量が低下していることを報告した。しかしこの発現量低下メカニズムについては不明である。また、抗うつ薬の慢性投与によりモデル動物の抑うつ状態は改善すると同時にTERT発現量も回復する現象を見出している。この現象についてもメカニズムは不明である。そこで本研究では、うつ病モデル動物の海馬脳サンプルのmRNAマイクロアレイ解析から出発し、さらにマイクロRNA(miRNA)によるテロメアーゼ発現の制御機構解明を行い、既存の仮説に捉われない新しいうつ病研究を展開している。 前年度の研究により、「うつ病モデル動物の海馬におけるmiRNA異常の検出」については、実験動物の作製および海馬組織からのmiRNAの抽出を終え、miRNAの網羅的解析を行うことが出来た。その結果6種類のmiRNAの発現量低下を見出すことが出来た。今年度研究では、研究ターゲットとするmiRNAのagomir/antagomirのマイクロインジェクションを実施するために、脳の外科的手術(ガイドカニューレの留置術など)や局所投与後の行動薬理学的実験のプロトコール確認などの基礎検討を実施した。その結果、安定的な手術および実験プロトコールを確立することが出来た。本研究で得られた手順を持ちいて、最終年度には実際に研究ターゲットとするmiRNAのagomir/antagomirの投与効果を行動薬理学的に検討する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度に実施予定であった「うつ病モデル動物の海馬におけるmiRNA異常の検出」については、実験動物の作製および海馬組織からのmiRNAの抽出を終え、miRNAのマイクロアレイ解析を行うことが出来た。2022年度はそれらのmiRNAのagomir/antagomirのマイクロインジェクションする準備としての実験が完了したため、予定通り最終年度の実験を実施することが出来ると考え、概ね順調に進展していると評価した。
|
今後の研究の推進方策 |
うつ状態を評価する行動薬理学的試験として、現在は「強制水泳試験」を採用して研究祖進めているが、今後「スクロース嗜好試験」を導入、並行実施することを考えている。これによりさらに多角的に「うつ状態」の評価を行いたいと考えている。
|