研究課題/領域番号 |
21K07510
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
|
研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
井上 猛 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (70250438)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 小児期虐待 / 被養育体験 / 主観的社会的地位 / 特性不安 / 運動 / レジリアンス / 神経症的特質 / いじめ / 虐待 / うつ病 / 反すう / ストレス / パーソナリティ特性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、うつ病発症の危険因子である遺伝要因、人格要因(脆弱性として神経症的特質)、小児期ストレス、成人期ストレスが、うつ病発症、一般成人のうつ・不安症状、well-beingに及ぼす影響に対して、レジリアンスがどのような拮抗作用を示すのかを、媒介・調整作用の観点から多変量解析により検討する。大うつ病性障害の生物学的マーカーとして報告されている血中BDNF、HVA、MHPG濃度の測定も行う。
|
研究実績の概要 |
1.2022年度にはうつ病を含む一般成人を対象に実施した質問紙調査データを用いて、小児期の養育体験、虐待、いじめがレジリアンスや神経症特質への影響を介して、抑うつ症状と労働生産性を悪化させるという仮説を検証した。その結果、小児期の低養育、過保護は神経症的特質を増強し間接的に抑うつ症状を増強すること、反対に、小児期の養育、低過保護はレジリアンスを増強し間接的に抑うつ症状を減弱することが明らかになった。さらに、レジリアンスは神経症的特質のうつ症状に対する影響に交互作用し、その効果を減弱することも明らかになった。 2.不眠や睡眠反応性は一般成人のうつ症状を悪化させるが、レジリアンスは睡眠のうつ症状悪化効果を有意に減弱する交互作用が認められた。 3.一般成人において、小児期虐待が主観的社会的地位を低下させることにより、特性不安を増強し、これらの3因子が職場におけるプレゼンティズム(生産性)を悪化させる連鎖反応を示すことが明らかになった。 4.1日の運動量とメンタルヘルスの諸指標との関連を一般成人で検討したところ、多くの指標で運動との関連は逆U字型になることが明らかとなった。通常の運動量であれば、運動量が多いほどメンタルヘルスは改善するが、過度に運動している被験者ではむしろメンタルヘルスが悪化していた。至適運動量からの隔たりは特性不安、神経症的特質、レジリアンスへの効果を介して抑うつ症状を間接的に悪化させていた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りに多数のデータを集め、多変量解析により精神医学にとって重要な所見がえられている。
|
今後の研究の推進方策 |
現在研究計画を計画通りに推進して、研究成果を得たい。
|