研究課題/領域番号 |
21K07513
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
|
研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
細川 雅人 福岡大学, 薬学部, 准教授 (00435116)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 前頭側頭葉変性症 / TDP-43 / プリオン様伝播 / モデルマウス / ノックインマウス |
研究開始時の研究の概要 |
新規作製したヒト型TDP-43ノックインマウスの脳に、前頭側頭葉変性症(FTLD)患者の脳から調整した不溶性画分を接種し、FTLDモデルマウスを構築する。FTLDの病態の再現を目指すとともに、TDP-43の凝集・伝播メカニズムを解明し、FTLD治療薬探索につなげることを本研究の目的とする。
|
研究実績の概要 |
前頭側頭葉変性症(frontotemporal lobar degeneration: FTLD)の脳ではTAR-DNA binding protein of 43 kDa (TDP-43)の異常蓄積が認められるが、その蓄積・伝播機構に関しては不明な点が多い。適切な動物モデルが存在しないことから、脳内でのTDP-43のプリオン様伝播の解析や、FTLD発症抑制候補薬物の探索が行われていない現状がある。そこで我々は新規にヒト型TDP-43ノックインマウスを作製した。このマウスの脳にFTLD患者脳由来の界面活性剤不溶性画分を接種し、新たなFTLDモデル動物を構築することにした。 TDP-43-KIマウスを東京都医学総合研究所から福岡大学薬学部へ移転させ、新規にマウスの繁殖を試みた。当初予定していた数より個体数は少なかったものの、順調に繁殖を進めることができた。 TDP-43-KIマウス(ヘテロ接合体)の線条体へ、FTLD患者から調整した界面活性剤不溶性画分を接種し、6ヶ月経過後の脳を採材して免疫組織化学染色を行なっている。TDP-43蓄積病理が観察されるかを検討中である。 また、TDP type B患者脳の界面活性剤不溶性画分をTDP-43-KIマウス脳の運動野に接種し、脊髄へTDP-43蓄積が伝播するかの検討を行なっている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者の所属機関変更に伴い、TDP-43-KIマウスの移転手続き、移転作業に時間を要した。新所属先にてマウスの繁殖は進んでいるが、実験に用いることができる匹数をそろえるのに時間がかかったことが理由としてあげられる。
|
今後の研究の推進方策 |
TDP-43-KIマウス(ヘテロ接合体)の線条体へFTLD患者から調整した界面活性剤不溶性画分を接種し、6ヶ月経過後の脳を組織化学的に解析し、異常TDP-43の蓄積を確認する。また、TDP type B患者脳の界面活性剤不溶性画分をTDP-43-KIマウスの運動野に接種し、6ヶ月経過後の脊髄を組織化学的に解析し、脊髄にTDP-43蓄積が伝播するかを確認する。組織化学的・生化学的にTDP-43の蓄積が確認された場合、FTLD患者由来不溶性画分をTDP-43-KIマウスに接種し、記憶・運動に対する行動試験を行う予定である。さらに異常凝集タンパクが個体間で感染する可能性について、FTLD患者脳不溶性画分を接種したマウスと野生型マウスを同居させ、一定期間後に脳病理を調べ、プリオンタンパクのように個体間での感染性があるか否かを検討する。
|