研究課題/領域番号 |
21K07547
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中尾 智博 九州大学, 医学研究院, 教授 (50423554)
|
研究分担者 |
村山 桂太郎 九州大学, 大学病院, 助教 (20645981)
樋渡 昭雄 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院, 教授 (30444855)
豊見山 泰史 九州大学, 医学研究院, 助教 (80893817)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | ためこみ症 / Hoarding disorder / 安静時機能的脳画像 / rfMRI / 拡張テンソル画像 / diffusion tensor image / TBSS / gyrification / 安静時機能画像 / Freesurfer / 拡散テンソル画像 / 拡散テンソル / Hoaring Disorder / OCD |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではためこみ症、強迫症、健常群を対象に脳画像と神経心理機能検査を用いた研究を行う。本研究によって、(1)ためこみ症に特異的な局所体積変化を示す前頭極・前頭眼窩面等とその他の脳部位との機能的結合性の変化、あるいは広範なネットワークの機能変化の存在、(2)またそれらの脳画像所見とためこみ症で想定される報酬系・注意 遂行機能などの認知機能障害との連関、について仮説を検証できると考えている。
|
研究成果の概要 |
ためこみ症患者25名と健常対照者36名を対象とした拡張テンソル画像に対してTract-based spatial statistics(TBSS)を用いた解析を行った。ためこみ症患者群では健常対照群と比較して、拡散異方性比率(Fractional anisotropy)の減少と放射拡散係数(Radial diffusivity)の増加を示し、前頭皮質視床回路、前頭頭頂ネットワーク、前頭辺縁系経路などの前頭白質路に広範な変化を認めた。前頭白質路が接続する皮質領域が担う認知機能についてためこみ症では機能障害を指摘されており、今回の結果はためこみ症の生物学的基盤の解明へ有用な知見となりうる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ためこみ症(HD)は、若年発症後は自然回復せずに慢性化するとされるが、一方で病識の乏しさから受診にはつながりにくい。それにより本邦ではHDに関する疫学調査や生物学的な研究は極めて少ないが、「ごみ屋敷」と呼ばれる社会問題とも深く関係していると考えられ、早期診断と介入、治療のためにも病態の解明が重要である、 今回の研究ではためこみ症の重症度と関連した、健常対照群と有意な差を示す前頭白質路に関する所見が得られ、これはHDで機能障害を認めるとされる領域と構造的にも関連しており、病態解明にむけて新たな知見が得られたと考えている。
|