研究課題/領域番号 |
21K07570
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
荻野 伊知朗 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 准教授 (20275035)
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研究分担者 |
幡多 政治 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (60285145)
三好 康秀 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 准教授 (60336550)
成井 一隆 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 講師 (70468172)
山本 晋也 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 助教 (50867273)
足立 祥子 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 助教 (50751525)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | リン酸カルシウム / マーカー / 乳がん温存療法 / 術前化学療法 / 前立腺がん / 石灰化 / リン酸カルシウムペースト / 乳がん / 前立腺癌 / IGRT |
研究開始時の研究の概要 |
術前化学療法後、乳房温存術予定乳がんにおいて、CPCMを原発腫瘍に注入すると、化療後に腫瘍が肉眼的に消失しても、超音波画像にて腫瘍の位置をCPCMで同定できる。これにより切除範囲を縮小して、形態温存を十分配慮した乳房温存療法が可能になる。ランダム化比較試験の症例数を増やして、術前化学療法後、乳房温存術予定乳がんにCPCMが有用であることを証明する。前立腺がんIGRTにおいて、CPCMを前立腺底部および尖部に選択的注入し、治療計画CTとMRIの画像融合で注入位置を確認する。量を調節して細針で注入でき、いろいろな画像で描出できるCPCMがマーカーとして有用であることを証明する。
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研究実績の概要 |
術前化学療法後の乳がん温存療法に対するリン酸カルシウムペーストマーカー(CPCM)注入のランダム化比較試験が、2019年5月から2024年2月(jRCTs 032180042)まで行われた。16名が参加し、最終結果を分析中であるが、挿入時にグレード2以上の障害を呈する参加者はいなかった。 前立腺のCPCMに関しては、市販の刺入針を用いて刺入することを可能となった。しかしながら、2021年に市販の金マーカーを前立腺に刺入した患者でマーカーが尿道に挿入されたため、排尿障害を起こした。この症例は内視鏡にて金マーカーを摘出できたが、CPCMの場合このような状況で対応できない可能性である。安全に研究が行える方策を考える必要があると考えられ、適切な研究環境を吟味することとなった。そこで我々は前立腺癌で放射線治療を行った520例のうち2年以上経過観察を行った388中、前立腺内に石灰化のある67例を調べた。石灰化のある群とない群では、消化管ならび尿路系の晩期有害事象の発生率に差がみとめられなかった。また、PSA再発率も有意差は認められなかった。 CPCMの利点となるevidenceを更に吟味している。それは、CPCMが市販の金マーカーより物理的に良いことを証明するためにファントムを用いた実験である。モーターを用いてファントムを動かし、呼吸や腸管蠕動によるマーカー画像に対する影響を調べる研究を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
前立腺のリン酸カルシウムペーストマーカー(CPCM)挿入研究に関しては、倫理委員会でevidenceが明白でない理由により受理されない。我々は明白にするため、前立腺癌で放射線治療を行った520例のうち2年以上経過観察を行った388中、前立腺内に石灰化のある67例を調べているが、有意となる利点はまだ見つけられていない。物理的な利点を証明するため、モーターを用いてファントムを動かし、呼吸や腸管蠕動があってもCPCMが金マーカーより画像に影響が少ないことを証明する研究を開始した。これらの研究を追加したため、進捗状況が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
以下を行う予定である。①前立腺癌で放射線治療を行った520例のうち2年以上経過観察を行った388中、前立腺内に石灰化のある67例について更に深く調べていく。②モーターを用いてファントムを動かす実験では、average画像や、Maximum Intensity Projection (最大値投影画像)を用いて分析する。
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