研究課題/領域番号 |
21K07580
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
下條 雅文 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 脳機能イメージング研究部, 研究統括 (20455348)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | イメージング / 多細胞 / 回路 / 神経回路 / 生体脳イメージング / 認知症 |
研究開始時の研究の概要 |
認知症を呈する神経疾患において回路破綻に起因する発症カスケードが提唱されており、こうした病態を画像評価しその制御法を確立する事は極めて重要性が高い。本研究課題では、脳深部回路を構成する多細胞活動を脳局所と全脳で生体脳イメージングする事を実現し、同細胞群の活動により調節される回路の制御基盤の理解とそれらが破綻するメカニズム解明に取り組む事を通じて、イメージング創薬へと繋がる技術基盤の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
本年度は、大脳の多細胞活動を脳局所と全脳範囲で画像計測するイメージング技術開発を進めると共に、認知症モデル動物脳の病態解析に向けた応用を進めた。 1) マウス大脳回路における多細胞活動イメージング 大脳の興奮性ニューロンと抑制性ニューロンに対して選択的に発現誘導を可能とするプロモーターを搭載したウイルスベクターを用いて、マウス大脳におけるそれぞれの神経細胞群を明確に区別しながらカルシウムイメージングする画像計測法を実現した。タウ病態を呈する認知症モデル動物脳の回路病態を調べる手段として同技術を活用し、タウ病変形成に付随してそれぞれの神経細胞群に選択的な障害が生じる事を見出した。 2) 細胞活動の全脳イメージング 血液脳関門を透過可能とするアデノ随伴ウイルスベクター血清型PHPeBを利用したマウス脳への遺伝子導入の実施例を増やし、興奮性ニューロンや抑制性ニューロン、アストロサイトなどを標的として蛍光蛋白質や機能操作分子を選択的に発現誘導し、全脳範囲で画像解析できる技術基盤が整備された。また、前年度までに進捗が得られたレポーターイメージング技術を組み合わせて活用する事により、ポジトロン断層撮像法(PET)で細胞選択的なマクロイメージングをする事も可能となった。認知症モデル動物を用いた回路病態の可視化と制御に向けた取り組みにも着手し、生体イメージングと死後脳解析による予備検討を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、細胞選択的な遺伝子導入と多細胞活動のイメージング計測に向けた技術基盤が確立され、認知症モデル動物脳における病態解明に向けて予備的な所見も得られるなど順調な進展が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、認知症モデル動物を用いた回路病態の可視化と制御に向けた取り組みを本格的に加速させ、多細胞活動の障害と病態がどのように相関するのかメカニズム解明を推進する。
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