研究課題/領域番号 |
21K07587
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山崎 哲郎 東北大学, 大学病院, 助教 (70250769)
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研究分担者 |
麦倉 俊司 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 教授 (20375017)
高橋 昭喜 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (80148874)
森 菜緒子 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (90535064)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 脳血流 / 動脈瘤 / くも膜下出血 / 前交通動脈瘤 / 高次機能障害 / 非造影ASL法 / 術後高次機能障害 / コリンエステラーゼ阻害剤 / 治療効果判定 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,非造影ASL法による術後高次機能障害の診断と治療効果判定法を確立する.具体的には, 1)前脳基底部の局所脳血流定量に妥当な非造影ASL評価法を検証する.2) 周術期・慢性期のASL法定量による術後高次機能障害の診断能を確認する.3)コリンエステラーゼ阻害剤投与の有効性評価においてASL法の妥当性を検証する.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,非造影ASL法による術後高次機能障害の診断と治療効果判定法を確立す ることである.我々は,pilot studyとして慢性期の脳血流SPECTによる前脳基底部の血流低下の程度と慢性期の高次機能障害の程度が相関することを報告した).次のステップとして,周術期および慢性期の縦断的な局所脳血流の変化から高次機能障害の程度を予測し,また治療への反応性を評価することが求められている.非造影ASL法は,拡散強調画像や3D-T2強調画像などの他のMRIのシーケンスと同時に脳血流評価が繰り返し可能である.本手法を前交通動脈瘤術後の高次機能障害の予測や薬物治療効果判定に応用することは我々の独創である.前脳基底部の局所脳血流定量に妥当な非造影ASL評価法を確立した(担当:山崎,麦倉)SPECTによる局所脳血流評価では,3D-SSP(3D-Stereotactic Surface Projections)を用いた。脳回毎の算出が行った.被験者の脳機能画像の解剖学的標準化を行い脳形態の個人差を解消後,灰白質の機能情報を脳表へデータ抽出する.さらに正常データベースとピクセル毎の統計学的比較を行うことで,被験者の機能低下部位を三次元定位脳表面投射画像上に表示した.statistical parametric mapping(SPM)の応用と形態画像を用いた標準化法を導入することで標準化の精度向上を行った.ASL法撮像と同時に3D-T1強調画像を撮像し,この形態画像を用いて標準化パラメータを作成し,それを基に脳機能画像を変形した(DARTEL).本手法を導入することで,微小な領域における局所脳血流測定の精度向上が期待された.またSPM上で,subcallosal gyrusやrectal gyrusなどの小さな領域を測定するためのテンプレートを導入し、定量値を得た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、前脳基底部の局所脳血流定量に妥当な非造影ASL評価法を確立したSPECTによる局所脳血流評価では,3D-SSPを用いた。脳回毎の算出が行った.被験者の脳機能画像の解剖学的標準化を行い脳形態の個人差を解消後,灰白質の機能情報を脳表へデータ抽出する.さらに正常データベースとピクセル毎の統計学的比較を行うことで,被験者の機能低下部位を三次元定位脳表面投射画像上に表示した.SPMの応用と形態画像を用いた標準化法を導入することで標準化の精度向上を行った.ASL法撮像と同時に3D-T1強調画像を撮像し,この形態画像を用いて標準化パラメータを作成し,それを基に脳機能画像を変形した(DARTEL).本手法を導入することで,微小な領域における局所脳血流測定の精度向上が期待された.またSPM上で,subcallosal gyrusやrectal gyrusなどの小さな領域を測定するためのテンプレートを導入し、(spm12/spm_templates.man).最終的には定量法として,従来法と同様に定量値を得た.定性法として全脳正規化を行い,正常データベースとの比較によるZ値の算出も行った.患者群では脳血流SPECTとASL法による定量および定性を比較し,微小な領域における局所脳血流測定の妥当性を検証した。
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今後の研究の推進方策 |
前交通動脈瘤術後にはしばしば記憶障害を主とする高次機能障害が生じる.我々は,3D-MRI と脳血流SPECTを用いて前交通動脈穿通枝のsubcallosal artery の損傷とその灌流領域を含 む前脳基底部の血流低下が高次機能障害に関連することを報告したしかしながら,脳血流SPECTは,放射線被曝,検査費用の点から頻回の実施が困難である.非造影MRIのArterial spin labeling (ASL)法では動脈血中のプロトンをラジオ波で磁化ラベルし,内因性トレーサーとして非侵襲的に血流を評価できる.本研究では,非造影ASL法による術後高次機能障害の診断と治療効果判定法を確立する.具体的には, 1)前脳基底部の局所脳血流定量に妥当な非造影ASL評価法を検証する.2) 周術期・慢性期のASL法定量による術後高次機能障害の診断能を確認する.
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