研究課題/領域番号 |
21K07589
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
対馬 義人 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20375546)
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研究分担者 |
福島 康宏 群馬大学, 大学院医学系研究科, 寄附講座等教員 (60772861)
金井 彩香 群馬大学, 大学院医学系研究科, 寄附講座等教員 (10847495)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 超音波造影剤 / カーボンナノチューブ / 自己集合型 |
研究開始時の研究の概要 |
汎用性の高い画像診断法である超音波イメージングを、がん特異的な診断領域へと展開することを目標に、腫瘍でのみ自己集合性を獲得する構造を付与したカーボンナノチューブ試薬を新規に設計した。本研究では、化合物の合成およびその実用性と汎用性について評価を行う。
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研究実績の概要 |
本研究では多層カーボンナノチューブ(MWCT)を基本骨格とし腫瘍特異的に自己集合能を獲得する超音波造影剤の開発を目的に、新規薬剤の設計およびその評価検討を行った。 本薬剤は①腫瘍特異的にグルタチオン構造が開裂し、②末端となったシステイン残基がシアノベンゾチアゾールとチアゾリン構造を形成することで、③カーボンナノチューブが重合し自己集合することで分子が増大する構成である。しかし、MWCTにグルタチオンやシアノベンゾチアゾールを付加した化合物を合成したところ以降の評価実験に利用可能な溶媒に対して難溶・難分散であり、評価検討が困難であった。そこで、まずMWCT骨格を持つ化合物が緩衝液に対しても分散できるような化学的修飾について検討を行い、以後は構造表面に多量のアミノ基を有するPAMAM dendrimer結合MWCTを母体骨格として設計・評価を行った。 ペプチド構造および6-アミノ-2-シアノベンゾチアゾールをそれぞれコハク酸構造にて伸長した化合物を液相合成にて得たのち、これを第4世代PAMAM結合MWCTと縮合させた。本化合物は未修飾体と比較してより広範な溶媒に分散可能であり、得られた2種の化合物を混合し37℃でインキュベートした後、様々な孔径を持つ6種類のフィルターにろ過したところ、それぞれを単体でインキュベートした反応液と比較して、ろ液に移行する割合の減少が確認された。従って、新規化合物が有する末端システインとシアノベンゾチアゾールとの反応により化合物の重合が起こり、分子の大きさが増大したことでフィルターに残存した割合が増えたと考えられる。 以上から、グルタチオン構造とシアノベンゾチアゾールによるカーボンナノチューブ超音波造影試薬への腫瘍特異的な自己集合能の付与についての可能性が示唆された。
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