研究課題/領域番号 |
21K07594
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
西村 英輝 神戸大学, 医学研究科, 客員准教授 (80444610)
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研究分担者 |
佐々木 良平 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (30346267)
赤坂 浩亮 神戸大学, 医学研究科, 非常勤講師 (20707161)
荻野 千秋 神戸大学, 工学研究科, 教授 (00313693)
小林 加奈 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (70433282)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ナノ粒子 / 免疫放射線療法 / 放射線応答 / 放射線増感 / エクソソーム / 表面修飾技術 / 免疫療法 |
研究開始時の研究の概要 |
過酸化チタンナノ粒子の活性酸素産生を介した放射線増感作用を発見し、薬事申請を視野に入れた非臨床試験実施に向けたGMP準拠の過酸化チタンナノ粒子の規格化を検討中であるが、さらに過酸化チタンナノ粒子が免疫放射線療法の治療効果を劇的に増加されることを発見し、2つ目の知財として特許申請を準備中である。本申請では宿主由来の細胞障害性免疫細胞CD8由来のエクソソームと過酸化チタン化の粒子をMetal-Phenol Network法で結合させ、個別の腫瘍選択性が極めて高く毒性が少ない新規治療法を提案する。
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研究実績の概要 |
我々の研究グループは、過酸化チタンナノ粒子の活性酸素産生を介した放射線増感作用を発 見し、薬事申請を視野に入れた非臨床試験実施に向けたGMP準拠の過酸化チタンナノ粒子の規格化を検討中であるが、さらに過酸化チタン化の粒子が免疫放射線療法の治療効果を劇的に増加されることを発見し特許申請をした。本申請では宿主由来の細胞障害性免疫細胞CD8由来のエクソソームと過酸化チタン化の粒子をMetal-Phenol Network法で結合させ、個別の腫瘍選択性が極めて高く毒性が少ない新規治療法を検討中である。 放射線治療は強い細胞傷害性をもつ有用な局所治療法であるが、治療経過に伴って腫瘍細 胞がPD-L1等の腫瘍抗原を発現が増強する事を独自の実験系で確認している。こ の腫瘍抗原の増加によって、宿主の免疫細胞群による免疫システムが作動し、最終的にCD8細胞の膜表面上のPD-1と腫瘍細胞のPD-L1が免疫チェックポイントを形成し、放射線照射自体がPD-L1等の腫瘍抗原の発現によって治療抵抗性の原因となる。 そのため、放射線治療の回数が進めば進むほど、宿主のCD8細胞による腫瘍への攻撃性は低下する。 無機ナノ粒子と有機分子であるエクソソームの結合体を効率的に作成する方法に関して、メルボルン大学との共同研究で過酸化チタンナノ粒子はPEG等の表面 修飾に依って電荷を中性に維持し、pH反応性カプセルに包含させて、その後にタンニン酸を用いたMetal-Phenol Network(MPN法)で生親和性を持たせエクソソームへの取り込みを検討した。pH反応性カプセルやMPN法を用いてナノ粒子化した抗がん剤の運搬には成功しており、過酸化チタンナノ粒子とマウスモデルから単離し、増幅させたCD8陽性細胞から大量のエクソソームを分離し、エクソソーム・ナノ粒子結合体の作成を共同研究で検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
過酸化チタンナノ粒子がエクソソームと特異的に結合するためには無機金属ナノ粒子とエクソソームを始めとする有機分子とを結合させる手法の確立が必要で過酸化チタンナノ粒子の表面修飾技術が必要不可欠である。メルボルン大学との共同開発で独自のナノ粒子コーティング技術を開発しており、予備的実験として無機分子と有機分子との結合の媒体としてタンニン酸を用いてがん幹細胞に高発現しているCD44を認識する抗体と過酸化チタンナノ粒子を結合させることに成功した。ヒト膵癌細胞であるMiyapaka-2細胞やヒト乳癌細胞であるMDA-MB-231細胞はCD44陽性細胞であり、ヒト乳癌細胞でCD44陰性細胞であるBT40を用いたin vitroの実験系においての無機分子と有機分子との結合評価を行った。蛍光顕微鏡によるCD44陽性細胞またはCD44陰性細胞へのナノ粒子の取り込みを評価し、CD44陽性細胞内への有意な過酸化チタンナノ粒子の取り込み量の増加を認めた。
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今後の研究の推進方策 |
過酸化チタンナノ粒子がエクソソームと特異的に結合するためには無機金属ナノ粒子とエクソソームを始めとする有機分子とを結合させる手法の確立が必要で過酸化チタンナノ粒子の表面修飾技術が必要不可欠であり、予備的実験として無機分子と有機分子との結合の媒体としてタンニン酸を用いてCD44抗体と過酸化チタンナノ粒子を結合させることに成功した。今後はややサイズの大きなCD44陽性細胞からエクソソームを単離し、過酸化チタンナノ粒子とエクソソームの結合と、がん細胞への取り込みを順次確認する予定である。
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