研究課題/領域番号 |
21K07605
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
長谷川 智之 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (10276181)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | PET / トレーサブル点状線源 / 医学物理学 / PET装置 / 品質管理 / 定量性 / 校正 |
研究開始時の研究の概要 |
陽電子放出断層撮像法(PET)は放射線医療から分子イメージング研究まで様々な分野で大きな役割を担っている。その有用性を支えているのがPET装置の物理的品質管理であり、中でも重要なのが校正と定量性評価である。しかし、装置が高度化し多様化する中、従来法では原理的に信頼性と利便性に限界があった。本研究では、研究代表者らが世界に先駆けて考案したトレーサブル点状線源の開発をさらに進め、多施設共同研究体制のもと多様なPET装置を統一的に校正・定量性評価する手法を開発していくことを目指す。
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研究実績の概要 |
陽電子放出断層撮像法(PET)は陽電子放出核種で標識したトレーサ分子を利用して定量的に生体機能を評価できるイメージング手法であり、医療から分子イメージング研究まで様々な分野において利用されている。その定量性を縁の下で支えているのがPET装置の物理的品質管理、とくに校正と定量性評価である。本研究では、研究代表者らが考案したトレーサブル点状線源ならびに同線源を用いた校正・定量性評価法の開発をさらに進めている。その中で、トレーサブルGe-68/Ga-68点状線源の開発については、従来の機能に追加して、水中使用を可能とする仕様の検討を継続している。その上で、特別注文品としての点状線源の試作については、原材料価格がさらに高騰したことにより、本年度(2023年度)での実施を見合わせた。そして、同線源を活用できる他の研究計画との連携を前提に、本研究計画を次年度(2024年度)に延長して進めることとした。また、点状線源と組み合わせるファントムについて、従来は、アクリル樹脂製でシンプルな主として円柱形状のものを外注していたが、新たに導入した3Dプリンター設備を活用することにより、以前よりも柔軟にファントム形状等を検討できるようになっており、次年度で試作を進める予定である。一方、多施設連携については、長期化した新型コロナウィルスの影響を背景として、連携する医療施設の拡大についてはこれ以上、注力せず、対象装置として小動物用や乳房用など部位特化型の新装置に焦点をあて、国内2施設との共同研究を検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
トレーサブルGe-68/Ga-68点状線源ついて、新たに導入した3Dプリンターを使用したファントムとの組み合わせも前提として、従来よりも用途の可能性を高めるタイプの検討を進めた。今年度(2023年度)においては、まだ、初期段階の予備的な試作をしている段階であるが、3Dプリンターで使用するフィラメントの材質、モデリングにおける密度や向きなどの条件、外観形状と表面加工精度など、詳細に検討しながら試行錯誤が必要であることがわかり、引き続き、次年度(2024年度)に研究期間を延長して、検討を進めることとした。また、点状線源の購入については、前年度に比べて、さらに、原材料費が高騰したため昨年度予算内での購入を見合わせ、次年度での実施とした。多施設連携については、長期化した新型コロナウィルスの影響を背景として、連携施設数を増やすのではなく、小動物用や乳房用など部位特化型の新装置に着目して、新たな共同研究について相談を始めるに至った。
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今後の研究の推進方策 |
トレーサブルGe-68/Ga-68点状線源については、同線源を利用できる他の科研費研究計画との連携により、次年度(2024年度)にて試作をして、両研究計画に供する。点状線源と組み合わせる専用ファントムについては、従来から用いているアクリル樹脂円柱形状のみではなく、3Dプリンターにて試作する樹脂ファントムとの組み合わせについても研究を進め、さらに、水中使用を可能とする機能についても検討をさらに進める。多施設連携については、これ以上、連携するPET施設を増やすことは目指さず、その連携の一環として、小動物用あるいは乳房用など部位特化型の特殊なタイプの新装置に焦点をあて、提案手法に関わる共同研究を進める。
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